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「ダイエット目的だから、軽い運動でいいですよね」
「ゴツくなりたくないので、重いものは持ちたくありません」
こうしたお声を、よく伺います。特に40代以降の女性からは、ほとんどの方がおっしゃると言ってもいいかもしれません。
では実際のところ、自重(自分の体重を使った筋トレ)だけで体は変わるのでしょうか。
結論から申し上げると、自重でも筋肉は増やせます。ただし条件があります。今回はその条件と、負荷の選び方についてお伝えします。
まず、正確なところをお伝えします。
「重いものを持たなければ筋肉は増えない」と言われることがありますが、これは正しくありません。
複数の研究を統合した分析では、軽い負荷でも重い負荷でも、限界近くまで追い込めば筋肉が増える効果は同じだと示されています。2021年の報告では、扱う重さを幅広く変えても、筋肉の増え方に差は見られませんでした。
つまり、自重のスクワットでも、腕立て伏せでも、条件を満たせば筋肉は増えます。
問題はこの条件です。
軽い負荷で同じ効果を得ようとすると、回数を大幅に増やし、これ以上できないというところまで続ける必要があります。
自重スクワットなら20回、30回では足りません。40回、50回と、脚が震えて立てなくなるあたりまで行って、ようやく重いバーベルでの10回に相当します。
これを、週に何度も、続けられるでしょうか。
■ 現実的な問題
・単純に時間がかかります
・きつさが長く続くため、精神的に続きにくい
・膝や腰など関節への繰り返しの負担が増えます
・「これで限界」の判断が自分では難しい
40代以降で、仕事や家事の合間に運動時間を確保している方にとって、この条件を毎回満たすのは現実的ではありません。
だからこそ、適切な重量を使うほうが効率的なのです。「必須」ではなく「効率的」。ここが正確なところです。
もう一つ、重さでなければ得られないものがあります。筋力です。
筋肉の大きさと、発揮できる力は別のものです。重い負荷を扱うトレーニングは、筋肉に力を発揮させる神経系への働きかけが強く、最大筋力の向上には高負荷が優れているとされています。
これは40代以降の方にとって、見た目以上に大切なことです。
・階段を上るのが楽になる
・立ち座りがスムーズになる
・重い荷物を持っても腰が心配にならない
・つまずいたときに踏みとどまれる
日常生活の質を左右するのは、筋肉の大きさより力を出せるかどうかです。5年後10年後を考えたとき、ここは大きな差になります。
多くの方が心配される点です。結論から言えば、心配は不要です。
女性は筋肉を大きくするホルモン(テストステロン)の分泌が男性より大幅に少なく、意図的に長期間取り組んでも、筋肉が目立って大きくなることはほとんどありません。
そして年齢を重ねるほど、筋肉は増えにくくなります。40代以降の方が週1〜2回のトレーニングでゴツくなることは、まず起こりません。
実際に起きるのは、脂肪が減り、筋肉が保たれることで体が引き締まって見えるという変化です。「ゴツくなった」と感じる方の多くは、脂肪が減っていない状態で筋肉だけが増えたケースで、食事と組み合わせれば防げます。
「筋トレは運動後も脂肪が燃え続ける」という話を聞いたことがあるかもしれません。アフターバーン効果(EPOC)と呼ばれるものです。
これは確かに存在しますが、効果の大きさは控えめです。
追加で消費されるのは、運動中の消費カロリーの6〜15%程度とされています。実数にすると数十kcal台から、多くても200kcal程度です。「1日の消費が大幅に増える」という説明は、実際より大きく見積もられたものです。
■ では筋トレの本当の価値は何か
減量中に筋肉を「減らさない」ことです。
食事制限だけで体重を落とすと、脂肪と一緒に筋肉も落ちます。筋肉が減れば基礎代謝が下がり、以前と同じ食事でも太りやすい状態になります。これがリバウンドの正体です。
筋トレは代謝を劇的に上げる手段ではなく、下がらないように守る手段だとお考えください。地味に聞こえるかもしれませんが、長い目で見ればこちらのほうがずっと重要です。
筋トレとダイエットの関係は筋トレはダイエットに必要?脂肪燃焼と基礎代謝アップの理由で詳しく解説しています。
重量を扱うなら、次の3点を守ってください。
■ 1. ウォーミングアップを行う
筋トレ前は、体を大きく動かす動的ストレッチが適しています。スクワットの前に屈伸を、肩や背中の種目の前に肩回しを。
じっくり伸ばす静的ストレッチではなく、これから行う動作を自重で10回ほど行って血流を促してから、メインのトレーニングに移りましょう。
■ 2. フォームを最優先する
重さを増やすことより、正しい動きを身につけることが先です。フォームが崩れた状態で重量を扱うと、狙った筋肉に効かないだけでなく、腰や膝を痛める原因になります。
■ 3. 自分の体力と目的に合わせて調整する
「10回で少しきつい」と感じる重さが一つの目安です。20回でも余裕がある重さでは軽すぎ、5回もできない重さは重すぎます。
ここが、自宅でのトレーニングで最も難しい点です。
「教えてもらった通りにやっているつもりなのに、腰が痛くなる」
こうしたご相談をよくいただきます。動画を見ながら行っても、自分の体がその通りに動いているかは、自分では分かりません。鏡で見ても、背中側や動きの細部は確認できないためです。
アップルフィット倉敷に通われている方の多くは40代以上の女性です。「短期間で何キロ落としたい」という方よりも、「この先も自分の足で元気に動いていたい」「検査では異常が出ないけれど、なんとなくの不調を整えたい」という理由でお越しになります。
そのため、無理に重い重量を扱わせることはありません。完全個室で、経験豊富な女性トレーナーが、その方の体力と関節の状態を見ながら重さを決めていきます。
自宅トレーニングとの違いについては自宅で筋トレすれば良いの?パーソナルジムとの違いとはもご覧ください。
自重の筋トレでも、限界近くまで追い込めば筋肉は増えます。ただし時間がかかり、続けるのが大変です。
・適切な重量を使うほうが効率的(必須ではありません)
・筋力を伸ばすには、ある程度の重さが必要
・女性がゴツくなることは、まず起こりません
・アフターバーン効果は控えめ。筋トレの価値は筋肉を守ること
大切なのは、重さそのものではなく、自分の体に合った負荷で続けられることです。5年後10年後も心地よく動ける体を、無理のない形でつくっていきましょう。