
前編では、認知症の予防には脳トレではなく「運動」が大切であることをお伝えしました。後編では、「栄養」からの予防方法を具体的にお伝えしていきます。
まだ前編をご覧になっていない場合は、「脳トレで認知症の予防ができる?~前編~」をご覧ください。
脳の機能を良好に保ち、認知症のリスクを低減させるために、注目されている栄養素を解説します。
「トレオン酸マグネシウム」は、マグネシウムにビタミンCの代謝物であるトレオン酸を組み合わせた成分で、脳に届きやすい特徴があるとされています。海外では「Magtein(マグテイン)」という名前で知られ、脳の健康をサポートする栄養素として注目されています。
近年の研究では、記憶力や集中力に関わる脳の働きを助ける可能性があることが報告されており、特に加齢による認知機能の低下が気になる方に向けたサプリメントとして利用されています。
ただし、マグネシウムは摂りすぎるとお腹がゆるくなることもあるため、摂取量には注意が必要です。気になる方は、医師や薬剤師に相談しながら取り入れると安心です。
脳は通常、ブドウ糖を主なエネルギー源としていますが、加齢や代謝機能の低下により、糖の利用効率が落ちることがあります。そうした場合、ケトン体が代替エネルギー源として注目されています。
ケトン体は、糖質制限を伴う「ケトジェニックダイエット」や、MCTオイル(中鎖脂肪酸)などの摂取によって体内で生成されます。近年の研究では、軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー型認知症の初期段階において、ケトン体が脳のエネルギー代謝を補う可能性が示唆されています。
※「ケトン体」についてはこちらの記事「ケトジェニックダイエットって本当に効果あるの?」でも取り上げています。
卵に多く含まれる「コリン」は、神経伝達物質アセチルコリンの材料となる重要な栄養素です。アセチルコリンは記憶や学習に関わる働きを担っており、コリンの摂取は認知機能の維持に役立つ可能性があります。
納豆にもコリンが含まれていますが、特に注目されているのは血栓予防に関与するナットウキナーゼです。脳血管の健康を保つという意味では、間接的に認知症予防に貢献する可能性があります。
脳にとって大きな負担となるのが「慢性的なストレス」です。
ストレスを感じると分泌されるホルモン「コルチゾール」は、記憶を司る海馬にダメージを与えることが知られています。長期的に高いコルチゾール濃度が続くと、海馬の萎縮や神経新生の抑制につながり、認知機能の低下を招く恐れがあります。
日々のストレスを適切に発散し、コルチゾールの過剰な分泌を防ぐことは、認知症予防においても非常に重要です。前編でご紹介したように、適度な運動はストレス軽減に効果的です。運動と栄養の両面から、今からできる認知症予防を始めましょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は、認知症予防において、運動と並んで「栄養」が脳の健康を支える鍵となることを解説しました。脳機能に特化したトレオン酸マグネシウムやケトン体の活用、そして日々の食生活におけるアセチルコリンの材料摂取が重要です。
しかし、「一人で健康的な食習慣を確立するのが難しい」「運動と栄養のバランスについて専門的なアドバイスがほしい」と感じる方も多いでしょう。
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