
今回は本題に入る前に、少し考えてみてほしいことがあります。
もし家族や友人のダイエットを手伝うとしたら、「指導が一番大変」だと思うのはどんな方でしょうか。
◆人見知りでコミュニケーションが取れない人
◆好きなものを我慢できない人
◆運動が嫌いな人
本当に大変なのは「頑張っているのに効果が出ない」方
トレーナーとして一番大変だと感じるのは、実はあらゆる方法を試して、真面目に頑張っているのに効果が出ない方に出会ったときです。
ご本人がいちばん苦しく、「私はもう痩せられない体質なんだ」と自分を責めてしまうことも少なくありません。
なぜ効果が出ないのか。
ここから一緒に見ていきましょう。
体重が減る基本は「エネルギーの収支」
体重の変化は、とったエネルギー(食事)と使ったエネルギー(基礎代謝や体を動かすことなど)の差で決まります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、体脂肪1kgを減らすのに必要なエネルギーは約7,000kcalとされています。
栄養素のバランスなど細かな要素も関わりますが、基本はこの収支です。
そのため、食べる量を減らして動く量を増やせば、本来は体重が減っていくはずです。
ところが、食事を見直しても運動を頑張っても、思うように減らない方がいます。
それには、自己流のダイエットで見落とされやすい、3つの落とし穴が関わっていることがあります。
落とし穴① 食べた量と動いた量の「見積もり」がずれている
1992年にアメリカの医学誌に発表された研究があります。
「1日1,200kcal以下に抑えているのに痩せない」と訴える方たちを詳しく調べたところ、代謝(消費エネルギー)は予測値とほぼ同じで、異常は見られませんでした。
一方で、申告した食事の量は実際より平均47%少なく、体を動かした量は平均51%多く申告されていました(調べた人数は10人と少ない研究です)。
これは、うそをついていたということではありません。
小さな間食や飲み物、味見、調味料などは、記憶にも記録にも残りにくいものです。
「ちゃんと減らしているつもり」でも、こうしたずれは誰にでも起こり得ます。
まずは数日だけでも、飲み物や間食も含めて食べたものを書き出してみると、思わぬ発見があるかもしれません。
落とし穴② 体重が減ると、使うエネルギーも減っていく
厚生労働省のガイドでは、長くエネルギーを制限していると、体重の変化に合わせて使うエネルギーやとるエネルギーも変わり、やがて収支がゼロになって体重が安定すると説明されています。
つまり、最初と同じ食事量・運動量のままでは、体重の減り方はだんだんゆるやかになるのが自然な流れです。
ここで焦って食事をさらに減らすと、次の落とし穴につながります。
体重が止まったときの見直し方はダイエットの停滞期に見直したい8つのポイント|焦って食事を減らす前にで詳しく解説しています。
落とし穴③ 食べないダイエットで、筋肉まで減らしている
「食べなければ痩せる」「野菜だけ」「フルーツだけ」といった方法で体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉なども一緒に減りやすくなります。
50歳以上で体重が多めの方を対象にした52件の研究をまとめた報告では、食事制限だけのグループの81%で「減った体重の15%以上が筋肉などの除脂肪量」だったのに対し、運動を組み合わせたグループでは39%にとどまっていました。
筋肉が減ると、体力が落ちたり、体重が減っても引き締まって見えなかったりします。
自己流の極端な減量で起こりやすい体のトラブルは自己流ダイエットが招く体のトラブル|筋肉・骨・月経を守る正しい減らし方、避けたい方法はあまりお勧めできないダイエット方法4選|40代からやってはいけない理由にまとめています。
トレーナー自身の失敗談
かく言う私自身も、20代の頃にさまざまなダイエットを試しては失敗を繰り返していました。
そこから正しい方法を学び、しっかり食べてしっかり動く習慣をつけたことで、目標の体型になることができました。
本当に「痩せたい」あなたに知ってほしいこと
ダイエットは、痩せたら終わりではありません。
痩せた新しい自分と、その先もずっと歩き続けることが大切です。
頑張っても痩せないときは、「もっと我慢する」前に、次のことを見直してみてください。
- 飲み物や間食も含めて、食べたものを数日書き出してみる
- 食事を極端に減らさず、たんぱく質をしっかりとる
- 筋トレを組み合わせて、筋肉を守りながら減らす
- 体重だけでなく、体脂肪率やウエストなどの変化も見る
体重以外の変化の見方は体重だけじゃない!ダイエット中に見逃したくない体の変化、続けるコツはダイエットが続かない理由とは?意志の弱さではない原因と習慣にするコツも参考にしてください。
アップルフィット倉敷は完全個室のパーソナルジムで、経験豊富な女性トレーナー5名が在籍しています。
お客様の約7割が40歳以上で、体の状態やこれまでのダイエット経験を伺いながら、無理なく続けられるトレーニングと、LINEでの食事や生活習慣のご相談で体づくりをサポートしています。
「頑張っているのに痩せない」とひとりで悩んでいる方は、まずは体験トレーニングで、そのお悩みを聞かせてください。
参考資料
Lichtman SW, Pisarska K, Berman ER, et al.「Discrepancy between self-reported and actual caloric intake and exercise in obese subjects」The New England Journal of Medicine(1992)https://europepmc.org/article/MED/1454084
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート 身体活動とエネルギー・栄養素について」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001195876.pdf
Weinheimer EM, Sands LP, Campbell WW「A systematic review of the separate and combined effects of energy restriction and exercise on fat-free mass in middle-aged and older adults」Nutr Rev(2010)https://europepmc.org/article/MED/20591106
