お役立ち情報

「お腹まわりだけすっきりさせたい」
「二の腕を細くしたい」
「脚だけ引き締めたい」
40代を過ぎたころから、こうしたお悩みを伺うことが増えます。
そして「マッサージで揉めば細くなるのでは」と考える方も少なくありません。
結論からお伝えします。マッサージには確かな効果がありますが、それは「脂肪を減らすこと」ではありません。
大切なのは、何に効いて何に効かないのかを正しく知ること。
そのうえで、体型の変化に本当に必要なことをお伝えします。
マッサージは、主に手を使って皮膚や筋肉を揉む・さする・叩くなどして、血行をよくし、筋肉や神経の機能を回復させたり、緊張をほぐして疲労を回復するために行われる方法です。
固まった筋肉をゆるめる、血流を促す、リラックスする。これらは実際に得られる効果です。
特定の部位だけを狙って脂肪を減らすことは「スポットリダクション」と呼ばれ、長年研究されてきました。
そして現在では、これは難しいという結論が定着しています。
2015年に発表されたランダム化比較試験では、食事制限のみを行ったグループと、食事制限に加えて腹筋トレーニングを行ったグループを比較しました。
結果、腹部の脂肪減少に統計的な差は見られませんでした。
さらに1,158人を対象とした13の研究をまとめた分析でも、局所的な運動による部分的な脂肪減少は確認されていません。
これは運動でも同じということです。腹筋を鍛えてもお腹の脂肪だけが減るわけではなく、マッサージであればなおさら脂肪細胞に働きかけることはできません。
マッサージの後に「すっきりした」と感じるのは、気のせいではありません。
これはむくみが軽減したためです。
むくみは、体内の水分が一時的に滞っている状態。
マッサージで血流やリンパの流れが促されると、この水分の滞りが改善し、見た目にすっきりします。
ただし、ここが最も大切な点です。むくみが取れることと、脂肪が減ることはまったく別のものです。
むくみの改善は一時的で、生活習慣が変わらなければ元に戻ります。
一方、脂肪は全身のエネルギー収支が変わることで、時間をかけて減っていきます。
なお、「老廃物を流して痩せる」という説明を目にすることがありますが、この因果関係を示す科学的根拠はありません。
マッサージの価値は、むくみの軽減とリラックス効果にあると考えるのが正確です。
年齢を重ねると、むくみを感じる方が増えます。
体内の水分を保持し、血液を心臓に押し戻すポンプの役割を担っているのは筋肉です。
加齢とともに筋肉量が減ると、このポンプ機能が弱まり、特に下半身に水分が滞りやすくなります。
さらに更年期の時期はホルモンバランスの変化により、体内の水分調節が不安定になることもあります。
つまり、40代以降のむくみは「マッサージ不足」ではなく、筋肉量の変化が背景にあることが多いのです。
体型の変化に必要なのは、次の2つです。
■ 全身の脂肪を減らす
部分的にではなく、全身のエネルギー収支を整えることで脂肪は減っていきます。極端な食事制限ではなく、必要な栄養を摂りながら活動量を上げることが基本です。
■ 筋肉で体のラインを整える
脂肪が減っても、支える筋肉がなければ引き締まって見えません。特に40代以降は、筋肉量の維持が見た目の印象を大きく左右します。
「お腹だけ」「脚だけ」という発想から、「体全体を整える」という考え方に切り替えることが、遠回りのようで確実な近道です。
マッサージが無意味というわけではありません。目的を正しく設定すれば、体づくりの助けになります。
・トレーニング後の筋肉の緊張をやわらげる
・むくみによる重だるさを軽減する
・リラックスして睡眠の質を高める
「トレーニングで体を変え、マッサージで整える」。この組み合わせであれば、無理なく続けやすくなります。
【行う際の注意点】
・ボディクリームやオイルで滑りをよくしてから行う(摩擦による炎症を防ぐため)
・強い力で行わない
・患部に熱がある、腫れている、押すと強い痛みがある場合は控える
・持病がある方や治療中の方は、事前に医師にご相談ください
マッサージで脂肪が減ることはありませんが、むくみの軽減やリラックスという確かな効果があります。
効果を正しく知ったうえで取り入れれば、心強い味方になります。
そして体型を変えたいなら、必要なのは全身の運動と食事の見直しです。
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