
食事の理想的なバランスは、厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」において、エネルギー比率でタンパク質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%が目安とされています。
しかし、毎日の生活の中でこの比率を正確に守り続けるのは簡単ではありません。
パーソナルジムとして日々食事相談を受ける中で、実践しやすく継続しやすい方法として注目しているのが、無理なく続けやすく医学的な裏付けもある「地中海式食事法」です。
地中海沿岸地域(イタリア、ギリシャ、スペインなど)の伝統的な食習慣に基づいた食事法で、植物性食品を中心に、オリーブオイルを主要な脂質源とするのが特徴です。
下図の食品ピラミッドでは、野菜・果物・全粒穀物・豆類が土台となり、肉類や甘い食品は控えめに位置づけられています。

地中海式食事法は、心疾患や脳卒中、糖尿病、高血圧、肥満などのリスク低下と関連することが、複数の研究で示されています。
厚生労働省「健康な食事のあり方に関する検討会」資料では、スペインで約13,000人を対象に行われた疫学研究において、地中海食スコアが高い人ほど糖尿病の発症リスクが低いことが報告されています。
また、同資料では、地中海式食事法を実践している地域において、心筋梗塞や脳血管障害による死亡率が比較的低い傾向があることも示されています。
(参照:厚生労働省「健康な食事のあり方に関する検討会」資料)
パーソナルジムで食事相談を受けていると、「地中海式食事法は体によさそうだが、何から変えればいいかわからない」という声をよく聞きます。実際には、すべてを一度に切り替える必要はありません。まずは主食を白米から玄米に置き換える、調理油をオリーブオイルに変えるなど、1つだけ行動を変えることが継続のポイントになります。
また、筋力トレーニングを行っている方の場合、食事量を減らしすぎてしまうと、体重は落ちても筋力やコンディションが低下しやすくなります。食事は「制限」ではなく「選び方」を意識することで、運動との相乗効果が生まれやすくなります。
日常的に意識したいのは、精製度の低い穀物、野菜や果物、豆類、ナッツ類を中心に食事を組み立てることです。脂質はオリーブオイルを基本とし、不飽和脂肪酸を効率よく摂取します。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸などの不飽和脂肪酸は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げる効果があることが複数の研究で示されています。
肉類や卵、魚介類は完全に避ける必要はありませんが、量と頻度の調整が重要です。特に赤身肉や加工肉は控えめにし、魚を選ぶことで地中海式食事法の考え方に近づきます。
筋力トレーニングを行っている方の場合、タンパク質の確保は欠かせません。地中海式食事法では、豆類は重要なたんぱく源の一つであり、あわせて魚介類、乳製品(ヨーグルト等)、卵、鶏肉なども適度に取り入れる形が一般的です。
動物性タンパク質に偏りすぎず、植物性食品をうまく組み合わせることで、体づくりと数値改善の両立がしやすくなります。
地中海式食事法は、極端な制限を必要とせず、食材の選び方を少し変えるだけで取り入れやすい食事スタイルです。
運動と組み合わせることで、生活習慣病予防や体調管理の効果をより高めることが期待できます。
アップルフィット倉敷では、一人ひとりの目的や生活習慣に合わせて、運動と食事の両面からサポートを行っています。
無理なく続けられる方法を一緒に見つけていきましょう。