
ダイエットを始めると、真っ先に「油もの」を完全にカットしようとする方が多くいらっしゃいます。
確かに脂質はエネルギーが高く、とりすぎは体重が増える原因になります。
でも、だからといって極端に減らしすぎると、別の困りごとが起こることもあります。
今回は、脂質が足りないときに起こりやすいことと、どれくらいなら「適量」なのか、毎日の食事での上手なとり方をお伝えします。
脂質は「多すぎても少なすぎても」よくない
脂質は、1gあたり9kcalと、三大栄養素の中でもっとも多くのエネルギーを生み出す栄養素です。
エネルギー源になるだけでなく、ホルモンや細胞膜の材料になったり、体を寒さから守ったりする働きもあります。
また、ビタミンA・D・E・Kといった「脂溶性ビタミン」は、脂質と一緒にとることで吸収されやすくなります。
さらに、脂質に含まれる脂肪酸の中には、体内でつくることができず食事からとる必要がある「必須脂肪酸」もあります。
農林水産省は、食事からとる脂質は多すぎても少なすぎても健康に悪影響を及ぼす可能性があると説明しています。
そのため国の基準では、脂質のとり方に「上限」だけでなく「下限」も設けられています。
脂質が足りないときに起こりやすいこと
① エネルギーが足りなくなる
脂質を極端に減らすと、食事全体のエネルギーが不足しやすくなります。
エネルギーが足りない状態が続くと、疲れやすくなったり、体の抵抗力が落ちたりする可能性があります。
② 脂溶性ビタミンが吸収されにくくなる
脂質と一緒に吸収されるビタミンA・D・E・Kが吸収されにくくなり、ビタミンが不足するおそれがあります。
たとえば、骨の健康に関わるビタミンDや、骨づくりに関わるビタミンKも脂溶性ビタミンです。
③ 食事全体の栄養が偏りやすい
「油を使わない」ことを優先すると、魚や肉、卵、大豆製品、ナッツなど、たんぱく質やビタミン・ミネラルを含む食品まで避けてしまいがちです。
極端な食事制限が続くと、筋肉や骨が減ったり、月経が乱れたりすることもあります。
自己流のダイエットで起こりやすい体のトラブルは、自己流ダイエットが招く体のトラブル|筋肉・骨・月経を守る正しい減らし方で詳しく解説しています。
1日の適量は「エネルギーの20〜30%」
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の脂質の目標量を、1日にとるエネルギーの20%以上30%未満としています。
このうち、肉の脂身やバターなどに多い飽和脂肪酸は、エネルギーの7%以下が目標です。
グラムに直すと、たとえば1日に1,800kcalをとる場合は、およそ40〜60gが目安になります(1,800kcal×20〜30%÷9kcal)。
この量には、調理に使う油だけでなく、肉や魚、卵、乳製品、ナッツ、ドレッシングなどに含まれる脂質もすべて含まれます。
つまり、普段の食事で油を「ゼロ」にする必要はなく、とりすぎている分を見直すことが大切です。
毎日の食事で上手に油をとるコツ
魚を食卓に取り入れる
魚の脂には、体内でつくれないオメガ3系脂肪酸のEPAやDHAが含まれています。
肉料理が続いたら、魚料理に置きかえてみましょう。
調理油は植物油を中心に
オリーブ油に多いオレイン酸などの不飽和脂肪酸には、血液中の中性脂肪やコレステロールを下げる働きがあるとされています。
炒め物には、オリーブ油やなたね油などの植物油を適量使いましょう。
ナッツや種実の油を少量
くるみや、えごま油・あまに油には、オメガ3系のα-リノレン酸が多く含まれています。
ナッツは手のひらに軽くのる程度を小皿に取り分けて、えごま油やあまに油はサラダやおひたしに少量かけるなど、量を決めてとるのがおすすめです。
見直したいのは「隠れた脂質」
揚げ物、スナック菓子、洋菓子、脂身の多い肉、マヨネーズやドレッシングのかけすぎなどは、気づかないうちに脂質が多くなりがちです。
これらを「毎日」から「ときどき」にするだけでも、油を極端にカットせずに量を整えることができます。
油の種類や選び方は油の種類と上手な選び方、オメガ3とオメガ6のバランスはオメガ3とオメガ6のバランス|油の摂り方を見直すで詳しく紹介しています。
「減らす」より「整える」で、5年後も元気な体に
脂質はダイエットの敵ではなく、体に欠かせない大切な栄養素です。
極端に減らすのではなく、適量を意識しながら、種類を選んでとることが、無理なく続く体づくりにつながります。
アップルフィット倉敷は、完全個室のマンツーマンで、経験豊富な女性トレーナーが5名在籍しているパーソナルトレーニングジムです。
トレーニングの時間以外にも、LINEで食事や生活習慣の相談ができます(無料)。
「自分に合う油の量が分からない」「料理にどう使えばいい?」と迷ったら、どうぞお気軽にご相談ください。
しっかり食べて、正しく動く。
5年後、10年後も元気な毎日を、一緒に目指しましょう。
参考資料
農林水産省「脂質による健康影響」(2025年更新)https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.html
健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量」(2025年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shishitsu-shibousan.html
健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「ビタミンKの働きと1日の摂取量」(2025年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-k.html
