
※糖尿病や特定の疾患を持つ方は、医師や栄養士の指導を受けて行ってください。
涼しくなって食欲が増したり、飲み会の機会が増えたりすると、「お腹につまめるものが…」と皮下脂肪の増加に気づく方もいらっしゃるかもしれません。
「なぜ、食べたものが皮下脂肪になってしまうのか?」このメカニズムを正しく理解することが、効果的な体づくりへの第一歩です。
今回は、パーソナルトレーナーの視点から、皮下脂肪が増える仕組みをインスリンと糖質の流れから解説し、具体的な対策をお伝えします。
私たちが食事(特に糖質)を摂ると血糖値が上昇します。この血糖値を下げる重要な役割を担うのが『インスリン』というホルモンです。
インスリンは通常分泌されますが、急激に血糖値が上がると(一般的に食後血糖値が140mg/dLを超えるような状態)、それを下げるためにインスリンが大量に、かつ追加で分泌されます。(※この基準値は健康診断における指標の一つです。)
インスリンの主な働きは、血液中の糖(ブドウ糖)を全身の細胞に取り込ませてエネルギーとして利用・貯蔵させることです。しかし、インスリンが過剰に分泌されると、脂肪細胞に糖を送り込み、脂肪を合成する働きも促進されてしまいます。
インスリンが糖を取り込ませる主な順番は以下の通りです。
脂肪細胞に取り込まれるのは最後なので「脂肪は増えにくいはず」と思うかもしれません。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
つまり、運動をせずに筋肉のエネルギー貯蔵庫(グリコーゲン)が満タンの状態が続くと、いくら食べても筋肉は糖質を受け付けなくなり、余った糖質がすべて脂肪細胞に取り込まれてしまうのです。これにより、皮下脂肪が増えてしまいます。
皮下脂肪の増加を防ぐには、「過剰なインスリン分泌を防ぐ」ことと「筋肉の貯蔵庫を空ける」ことのバランスが重要です。
食事時間が自由に取れる場合は、1日の総摂取量を守りつつ、食事を4回〜5回などに分けて食べる「分食(分割食)」を試してみましょう。
一食あたりの糖質摂取量が減るため、血糖値の急激な乱高下を防ぎ、インスリンの過剰な追加分泌を抑えることができます。
決まった時間にしか食事ができない方は、血糖値が上がりにくい『低GI値』の食材(玄米、全粒粉パンなど)を選んでみてください。また、食物繊維が豊富な野菜や海藻類を食事の最初に食べる(ベジタブルファースト)ことも、血糖値の上昇を緩やかにする有効な手段です。
最も効果的な対策は、運動、特にウエイトトレーニング(筋力トレーニング)を行うことです。
筋肉をしっかり動かし、溜まった糖質(グリコーゲン)を消費することで、筋肉細胞に「空き」ができます。その後に食事で栄養補給をすれば、糖質は筋肉に優先的に運び込まれやすくなり、脂肪細胞に取り込まれる糖質の量を大幅に減らすことができます。
いかがだったでしょうか?
今回、皮下脂肪が増えるメカニズムが、単純なカロリーオーバーではなく、インスリンの過剰分泌と筋肉内の糖質(グリコーゲン)の貯蔵状態に深く関わっていることを解説しました。
血糖値が上がり過ぎる食事は、糖尿病などの病気に繋がる可能性もあるため、そうなる前に食事内容の見直しを始めてください。そして、ウエイトトレーニングで筋肉内のエネルギーを消費し、脂肪細胞に回ってしまう糖質を戦略的に減らしていくことが、体づくり成功の鍵となります。
ご自身の食事内容やトレーニング方法が適切か不安な方は、『アップルフィット倉敷』にご相談ください。
解説したインスリンの仕組みや血糖値対策をはじめ、お客様の体質や目標に合わせた食事とトレーニングについて適切にアドバイスいたします。
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