
ちょっとしたことで落ち込んだり、イライラしたり。
「もっとメンタルが強かったらな」と感じることはありませんか。
そんな方にこそ知っていただきたいのが、筋トレです。
筋トレというと体を鍛えるイメージが強いですが、気分や不安、睡眠といった心の状態との関係も、研究で調べられてきました。
今回は、筋トレと心の関係を、研究データとあわせてご紹介します。
「気持ちの問題」ではなく、体からのサインかもしれません
気分が晴れない、やる気が出ない、ささいなことでイライラする。
こうした状態を「性格」や「気合い」の問題だと考えてしまう方は少なくありません。
けれど実際には、睡眠不足や運動不足、ホルモンバランスの変化など、体の状態が心に影響していることもあります。
特に40代以降の女性は、更年期を迎えて体の変化が重なりやすい時期です。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、更年期の女性の4〜6割が睡眠の悩みを抱えていると紹介されています。
検査では異常が見つからないけれど、なんとなく調子が良くない。
そんな「未病」の状態に、心の不調が含まれることも珍しくありません。
だからこそ、心を整える方法のひとつとして「体から入る」という考え方があります。
研究で示されている筋トレと心の関係
不安感がやわらぐ
2017年に発表された研究のまとめ(16本の論文・922人分)では、筋トレを行ったグループで不安の症状がはっきり軽くなっていました。
健康な人でより大きな変化が見られ、体や心の病気がある人でも改善が確認されています。
気分の落ち込みが軽くなる
2018年に発表された研究のまとめ(33件の臨床試験・1,877人分)では、筋トレによって抑うつ症状が中程度に軽くなっていました。
年齢や性別、健康状態にかかわらず効果が見られ、筋力が大きく伸びたかどうかにも左右されなかったと報告されています。
つまり、重いものを持ち上げられるようになる前から、心の変化は始まっている可能性があるということです。
さらに2024年には、218件の研究(約1万4千人分)をまとめた分析で、ウォーキングやヨガと並んで筋トレがうつ症状の改善に役立つ運動のひとつとされ、続けやすい運動だったことも示されています。
ただし、これらの研究の質には限界もあり、筋トレが治療の代わりになるという意味ではありません。
気分の落ち込みや不安が長く続く、眠れない日が続く、日常生活に支障が出ているといった場合は、早めに医療機関に相談してください。
運動が脳にもたらす影響については、筋トレで脳も体も若返る!頭がよくなる理由と4つの健康メリットで、ストレスと体の関係についてはストレス社会の今、身体の中では何が起きているのかで詳しく解説しています。
睡眠が変わると、心も変わる
筋トレの効果として見落とされがちなのが、睡眠への影響です。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、睡眠が不足するとうつ病などの発症リスクが高まることや、適度な運動が良い眠りにつながることが紹介されています。
眠りが浅いと、感情のコントロールが難しくなり、食欲の調整にも影響します。
「よく眠れるようになった」という変化は、心にとっても体づくりにとっても大きな意味を持ちます。
ひとつ注意点があります。
同じガイドでは、寝る前1時間以内の激しい運動は、かえって睡眠の質を下げる可能性があるとされています。
夜にトレーニングする日は、終わったらストレッチや入浴でゆっくり過ごしてから休みましょう。
睡眠と体の関係は、睡眠不足が太る原因に?ホルモンから見る睡眠と肥満の関係でも紹介しています。
「できた」の積み重ねが自信になる
先週は持てなかった重さが持てた。
前より姿勢がよくなった。
階段が苦しくなくなった。
こうした小さな変化の積み重ねは、心理学でいう「自己効力感(自分にはできるという感覚)」を育てます。
これは「性格が明るくなる」といった漠然としたものではなく、成功体験の積み重ねによる確かな手ごたえです。
体を通して得られた自信は、日常のさまざまな場面にも広がっていきます。
続けるための3つのポイント
他の人と比べない
人と比べることが原動力になる方もいますが、劣等感につながることもあります。
比べる相手は、過去の自分で十分です。
極端な食事制限をしない
「炭水化物を一切食べない」といった極端な制限は、筋肉が減る原因になり、エネルギー不足で気分も落ち込みやすくなります。
肉や魚、野菜、主食をバランスよくとりましょう。
週1回からでもいい
厚生労働省の身体活動・運動ガイドでは、筋トレを週2〜3日行うことが推奨されています。
一方で、週1回でも健康づくりの効果が報告されているとも書かれています。
最初から完璧を目指さず、続けられるペースから始めることが大切です。
筋トレを続けるコツは、筋トレ初心者必見!筋肥大が始まるまでの流れと続けるコツもあわせてどうぞ。
ひとりで抱え込まなくて大丈夫です
「運動したほうがいいのは分かっているけれど、その気力がない」
そう感じている方こそ、誰かと一緒に始めるのがおすすめです。
予約した日時にトレーナーが待っている。
それだけで、動き出すきっかけになります。
アップルフィット倉敷に通われている方の多くは40代以上の女性です。
「短期間で何キロ落としたい」という方よりも、「この先も元気に過ごしたい」「なんとなくの不調を整えたい」という理由でお越しになる方が中心です。
完全個室のため、周りの目を気にせず自分のペースで取り組めます。
経験豊富な女性トレーナーが5名在籍しており、その日の体調や気分に合わせて内容を調整しますので、「今日は気が乗らない」という日も遠慮なくお話しください。
メンタルの不調は、心の弱さではありません。
気分の安定、睡眠、そして自信。
どれも、5年後10年後も心地よく過ごすために欠かせないものです。
まずは週1回から、体を動かして心の変化も感じてみてください。
参考資料
Gordon BR, et al.「The Effects of Resistance Exercise Training on Anxiety: A Meta-Analysis and Meta-Regression Analysis of Randomized Controlled Trials」Sports Medicine(2017)https://pure.ul.ie/en/publications/the-effects-of-resistance-exercise-training-on-anxiety-a-meta-ana/
Gordon BR, et al.「Association of Efficacy of Resistance Exercise Training With Depressive Symptoms」JAMA Psychiatry(2018)https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/fullarticle/2680311
Noetel M, et al.「Effect of exercise for depression: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials」BMJ(2024)https://www.bmj.com/content/384/bmj-2023-075847
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項(成人版)」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001195866.pdf
