
ボディメイクや健康維持、介護予防などを目的に、筋トレを始める方が増えています。
筋トレというと「筋肉がつく」「スタイルがよくなる」というイメージが強いかもしれません。
しかし近年の研究では、脳の働きや骨、生活習慣病、心の健康にもよい影響があることが分かってきています。
今回は、筋トレを含む運動が脳や体にもたらす効果について、研究で分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて紹介します。
運動で認知機能はよくなる?
50歳以上の方を対象に、運動と認知機能(記憶力や判断力など)の関係を調べた39件の研究をまとめた系統的レビュー(2018年)があります。
その結果、運動をした人は認知機能が改善していました。
有酸素運動だけでなく、筋トレ(レジスタンストレーニング)、複数の運動を組み合わせたもの、太極拳のいずれでも効果が見られました。
また、1回45〜60分、少なくとも中くらいの強さの運動が効果と関連していました。
研究者は、認知機能のためには有酸素運動と筋トレの両方を、できるだけ多くの日に行うことをすすめています。
認知症と運動の関係は、脳トレで認知症の予防ができる?~前編:運動が大切な理由~、脳を守る食事と生活習慣は脳トレで認知症の予防ができる?~後編:脳を守る食事と生活習慣~で詳しく紹介しています。
脳の栄養「BDNF」は筋トレで増える?
運動が脳によい理由の一つとして注目されているのが、BDNF(脳由来神経栄養因子)です。
BDNFは神経細胞の働きを支える物質で、運動による気分や認知機能への効果の一部に関わっているのではないかと考えられています。
ただし、運動を続けたときの血液中のBDNFを調べた29件の研究をまとめた解析(2016年)では、有酸素運動では安静時のBDNFが増えていた一方、筋トレでは増加は確認されませんでした。
筋トレそのものが脳によくないという意味ではありませんが、脳のためには、ウォーキングなどの有酸素運動も組み合わせるのがおすすめです。
筋トレと有酸素運動の組み合わせ方は、筋トレと有酸素運動は一緒にやると効果が下がる?研究結果と順番・間隔のコツで紹介しています。
骨を守り、転倒や骨折を防ぐ
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、筋トレによって筋力や体の機能、骨密度が改善し、高齢者では転倒や骨折のリスクが下がることが示されているとしています。
一方で、筋トレをしている人の割合は、高齢の方や女性で低い傾向にあります。
こうした方は、ロコモティブシンドロームやフレイル、骨粗しょう症になりやすいことが知られているため、積極的に筋トレをすすめる必要があるとされています。
骨を丈夫にする運動と栄養は、骨密度の低下を防ぐには?運動と栄養で丈夫な身体づくりを目指そうもご覧ください。
生活習慣病や寿命との関係
同じガイドでは、筋トレをしている人は、していない人と比べて、総死亡や心血管疾患、がん、糖尿病などのリスクが10〜17%低いという研究結果が紹介されています。
さらに、筋トレと有酸素運動の両方を行っている人は、どちらか一方だけの人よりも、総死亡などのリスクが低いことも分かっています。
ガイドでは、成人と高齢者に筋トレを週2〜3日行うことがすすめられています。
筋肉が体の中でどんな役割をしているかは、筋肉は何をしている?体を動かす以外の5つの働きで紹介しています。
心の健康と「できた」という自信
運動とうつ症状の関係を調べた研究をまとめた解析(2024年)では、運動はうつ症状の改善に効果があり、筋トレはウォーキングやヨガと並んで効果が高い運動の一つとされました。
また、筋トレは続けやすい運動であることも示されています。
筋力アップは効果を実感しやすいため、「前より重いものが持てた」「階段が楽になった」という変化が、自信につながりやすいのも筋トレのよいところです。
筋トレと気分・不安・睡眠の関係は、筋トレは心にも効く?気分・不安・睡眠との関係と40代からの始め方で詳しく解説しています。
まとめ|安全に続けることがいちばんの近道
筋トレを含む運動は、認知機能や骨、生活習慣病、心の健康など、体のさまざまな面によい影響があることが分かってきています。
一方で、脳のためには筋トレだけでなく有酸素運動も組み合わせることが大切です。
また、筋トレではけがに注意が必要で、無理をせず、息をこらえないように行うことが大切です。
健康のために始めた運動で体を痛めてしまっては、元も子もありません。
アップルフィット倉敷は、完全個室のマンツーマンで、経験豊富な女性トレーナーが5名在籍しているパーソナルトレーニングジムです。
お一人おひとりの体力や体調に合わせて、筋トレと有酸素運動を組み合わせた無理のないメニューをご提案します。
「けがをせずに長く続けたい」「5年後、10年後も元気に動ける体をつくりたい」という方は、お気軽にご相談ください。
参考資料
Northey JM, et al.「Exercise interventions for cognitive function in adults older than 50: a systematic review with meta-analysis」British Journal of Sports Medicine(2018)https://bjsm.bmj.com/content/52/3/154
Dinoff A, et al.「The Effect of Exercise Training on Resting Concentrations of Peripheral Brain-Derived Neurotrophic Factor (BDNF): A Meta-Analysis」PLOS ONE(2016)https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0163037
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 筋力トレーニングについて」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001195869.pdf
Noetel M, et al.「Effect of exercise for depression: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials」BMJ(2024)https://www.bmj.com/content/384/bmj-2023-075847
