
「毎日がんばって運動しているのに、なかなか体脂肪が落ちない…」
そんなとき、「脂肪を燃やす成分」をとれば近道になるのでは、と考える方も多いのではないでしょうか。
実は、体脂肪がエネルギーとして使われるまでには、体の中でいくつかの段階があります。
今回は、体脂肪が燃えるしくみをわかりやすく整理したうえで、よく話題になるカフェインや緑茶カテキンについて研究でわかっていること、そして体脂肪を減らすために本当に大切なことをお伝えします。
体脂肪がエネルギーとして使われるまでの流れ
体脂肪は、主に「中性脂肪」という形で体にたくわえられています。
この体脂肪がエネルギーとして使われるまでには、大きく分けて次の3つの段階があります。
1.体脂肪が分解される
たくわえられた体脂肪は、リパーゼという酵素によって「遊離脂肪酸」に分解されます。
2.血液にのって筋肉へ運ばれる
分解された遊離脂肪酸は、血液にのって筋肉へ運ばれます。
3.筋肉の中のミトコンドリアでエネルギーになる
筋肉に届いた脂肪酸は、細胞の中にある「ミトコンドリア」で酸素を使って分解され、体を動かすエネルギー(ATP)がつくられます。
体脂肪を分解するには多くの酸素が必要になるため、ウォーキングのように酸素を取り入れながら続ける運動(有酸素運動)では、体脂肪がエネルギー源として使われます。
また、運動で体温が上がり血流が増えると、リパーゼの働きが高まり、体脂肪がさらに使われやすくなるとされています。
エネルギーをつくる過程を支える栄養素
こうしたエネルギーづくりには、さまざまな栄養素が関わっています。
たとえばビタミンB群のナイアシンは、糖質・脂質・たんぱく質の代謝やエネルギーの産生に補酵素として関わっています。
ナイアシンは、かつおやまぐろなどの魚、鶏むね肉やささみ、きのこ類に多く含まれています。
ただし、「代謝に関わっている」ことと、「たくさんとるほど脂肪が燃える」ことは別の話です。
L-カルニチン、ビタミンB2、コエンザイムQ10について研究でわかっていることは、痩せないのは栄養素不足のせい?L-カルニチン・B2・Q10の本当のところで詳しく解説しています。
カフェイン・緑茶カテキンの本当のところ
緑茶の減量効果はごくわずか
「脂肪燃焼」のイメージが強い緑茶ですが、研究の結果はどうでしょうか。
Cochrane(コクラン)が、過体重や肥満の成人を対象に、緑茶エキスなどの製品を使った減量の研究15件をまとめたところ、緑茶製品をとったグループの体重の減少はごくわずかで、統計的に意味のある差ではなく、健康上意味のある大きさとは考えにくいという結果でした。
減量後の体重を維持する効果も、確認されていません。
緑茶は日々の水分補給として楽しむ分にはよい飲み物ですが、「緑茶を飲めば体脂肪が落ちる」と期待しすぎないほうがよいでしょう。
カフェインはとりすぎに注意
カフェインは、コーヒーやお茶などに含まれる身近な成分です。
一方で、とりすぎると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠などが起こることがあり、人によっては高血圧のリスクが高まる可能性も報告されています。
日本では明確な摂取量の基準はありませんが、海外では健康な大人で1日400mgまでを目安としている国や機関が多くあります。
コーヒー(浸出液)には100mlあたり約60mg、せん茶には約20mgのカフェインが含まれています。
エナジードリンクやカフェインを含むサプリメント、市販薬と重ならないようにも気をつけましょう。
体脂肪を減らすために本当に大切なこと
体脂肪を減らす近道は、特定の成分ではなく、毎日の運動と食事の積み重ねです。
体を動かす時間を増やす
国の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に次のことがすすめられています。
・歩行やそれと同じくらいの強さの身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)
・息が弾み、汗をかく程度の運動を週60分以上
・筋力トレーニングを週2〜3日
運動は短い時間の積み重ねでも健康によい効果が得られ、週に1回でも効果があると報告されています。
筋トレで筋肉を守る
食事を減らすだけのダイエットでは、脂肪と一緒に筋肉も減りやすくなります。
筋トレを組み合わせて筋肉を守ることが、体脂肪を減らしながら動ける体を保つポイントです。
詳しくはダイエットに筋トレは必要?減量中に筋肉を守る理由と体重が減らない時期の考え方、筋肉と基礎代謝の関係は筋力トレーニングは必要なの?基礎代謝と脂肪燃焼の深い関係で紹介しています。
食事はバランスと量を整える
脂質は1gあたり9kcalと、三大栄養素の中で最もエネルギーが高い栄養素です。
揚げ物や脂身の多い肉、洋菓子などをとりすぎないようにしながら、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を心がけましょう。
食事の工夫は食事だけで体脂肪を減らすには?朝・昼・夜の最適な食べ方とポイントも参考にしてください。
まとめ
体脂肪は、リパーゼで分解され、血液で筋肉に運ばれ、ミトコンドリアで酸素を使ってエネルギーになります。
この流れを動かす一番のスイッチは、体を動かすことです。
緑茶カテキンなどの成分に大きな減量効果は確認されておらず、カフェインはとりすぎに注意が必要です。
「自分に合った運動の量がわからない」「何をどれくらい食べればいいの?」という方は、ぜひアップルフィット倉敷にご相談ください。
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参考資料
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「トレーニング:有酸素運動とは」(2025年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/yusanso-undou.html
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ナイアシンの働きと1日の摂取量」(2025年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-niacin.html
Cochrane「Green tea for weight loss and weight maintenance in overweight or obese adults」(Jurgens TM ほか)https://www.cochrane.org/evidence/CD008650_green-tea-weight-loss-and-weight-maintenance-overweight-or-obese-adults
農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(2026年更新)https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項(成人版)」(2024年)https://www.mhlw.go.jp/content/001195866.pdf
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量」(2025年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shishitsu-shibousan.html
