
プロテインと聞いて、どんな人が飲むイメージを持っていますか?
アスリートやボディビルダーなど「マッチョな人が飲むもの」というイメージが強いかもしれません。そのイメージから、「プロテインを飲んだら太るんじゃないか?」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
結論から申し上げると、「飲み方を間違えなければ、プロテイン単体で太ることはありません」。
今回は、パーソナルジムのトレーナーの視点から、プロテインの正しい知識と効果的な飲み方について解説します。
「たんぱく質は筋肉のための栄養素」というイメージが強いかもしれませんが、それだけではありません。
たんぱく質は、皮膚、骨、毛髪、爪、臓器など、身体のあらゆる形成に必要な栄養素です。
たとえば、ダイエット中に肌荒れや爪割れ・髪がパサつくことはありませんか?
これらのトラブルは、ダイエット中の食事制限による栄養バランスの偏りによって、たんぱく質の不足により起きている可能性があります。
低カロリーで栄養バランスが偏った食事を続けていると、身体は筋肉を分解してエネルギーを生み出そうとし、結果として基礎代謝が落ちてしまう悪循環に陥ります。健康的なダイエットとボディメイクを成功させるには、摂取カロリーを抑えつつも、たんぱく質を十分に確保することが必須条件です。
その最適な手段が、手軽に高タンパク質を補給できるプロテインなのです。
結論として、プロテインを単体で摂取した場合、総カロリーがオーバーしなければ太ることはありません。プロテインはダイエッターの強い味方です。
市販されている一般的なホエイプロテイン(WPC)は、一食分(約20gのタンパク質)あたりのカロリーは約80kcal~120kcalと非常に低カロリーです。
一般的なプロテインの例(1食分):
カロリー: 110 kcal程度
PFC: たんぱく質 20g / 脂質 1.5g / 炭水化物 3g
低カロリー・低脂質で効率よくタンパク質を補給でき、体脂肪に変換されにくいように設計されています。
たんぱく質は、三大栄養素(PFC)の中で最も「食事誘発性熱産生(DIT)」が高い栄養素です。
DITとは、食事を摂った後に、消化・吸収・代謝のために体が消費するエネルギーのこと。
DITの割合(摂取エネルギーに対して):
脂質: 約4%
炭水化物: 約6%
たんぱく質: 約30%
つまり、タンパク質を摂ると、そのカロリーの約3割は分解・代謝のために消費されるため、他の栄養素に比べて体脂肪として蓄積されにくい特性があるのです。
たんぱく質は消化に時間がかかるため、満腹感を得やすく、腹持ちも良いのが特徴です。ダイエット中の間食に置き換えたり、軽い食事の置き換えに活用することで、ストレスを感じにくいダイエットをサポートしてくれます。
「プロテインは太らない」にも関わらず、実際に体重が増えてしまった方は、必ず以下のいずれかの飲み方をしています。
プロテインで太ってしまう最大の原因は、運動をせず、筋肉への刺激が足りない状態でプロテインを飲み続けることです。
たんぱく質を筋肉に取り込むためには、適度な運動(特に筋力トレーニング)による刺激が必須です。運動をしない状態でプロテインを飲み過ぎると、過剰なエネルギー摂取となり、使われなかったタンパク質や脂質が脂肪として蓄えられてしまいます。
プロテインは低カロリーですが、「何を混ぜて飲むか」に注意が必要です。
牛乳で割る: 牛乳は低脂肪乳でもカロリー・脂質が加算されます。水で割る方がカロリーを抑えられます。
ジュースで割る: 糖質が大量に追加され、太る原因になります。
一日に何回も飲む: 「飲めば痩せる」と誤解し、食事に加えて何回も飲みすぎると、当然ながら総摂取カロリーがオーバーします。
運動量が多い方でも、食事で糖質や脂質を大量に摂り、さらにプロテインを飲んでいる場合、太るのはプロテインのせいではありません。
プロテインは、あくまで食事で不足しがちなたんぱく質を補うための補助食品です。一食でたんぱく質を20g~30gを目安に摂取し、食事全体でPFCバランス(タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の摂取比率)が整うよう調整しましょう。
プロテインはダイエットの強い味方ですが、太らないためには「適正量と、トレーニングとの最適な組み合わせ」が不可欠です。
こうした疑問に対し、「アップルフィット倉敷」では、お客様一人ひとりの生活やトレーニングレベルを考慮し、「太らないための具体的なプロテインの活用法」を指導しています。
適度な運動とバランスのいい食事、そしてプロテインを戦略的に活用して、効率的にダイエットやボディメイクを成功させましょう!