お役立ち情報

【重要】すでに医師から高血圧と診断されている方、降圧薬を服用している方、腎臓の機能に指摘を受けている方は、食事内容を変える前に必ず主治医にご相談ください。特にカリウムについては、腎機能によって推奨される摂取量が大きく異なります(詳しくは後述します)。
高血圧の改善と聞くと、「厳しい減塩」を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん減塩は基本です。けれど「何を減らすか」だけでなく「何を足すか」という視点があることは、あまり知られていません。
今回は、血管を守る食べ合わせについてお伝えします。
「食材の組み合わせで血圧に働きかける」という方法は、思いつきではありません。
DASH食という名前で知られる食事療法があります。塩分を減らすだけでなく、塩分の排出を助ける栄養素を積極的に摂るという考え方です。
このDASH食は日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインにも掲載されており、実際の医療現場でも使われています。
これからご紹介する組み合わせは、この考え方に沿ったものです。
日本高血圧学会は、高血圧の治療において1日6g未満の食塩制限を推奨しています。
糖尿病や慢性腎臓病がある方についても、循環器の病気や腎不全を防ぐために同じく1日6g未満が推奨されています。
「6g」と言われてもピンとこないかもしれません。目安として、ラーメン1杯のスープを飲み干すと、それだけで1日分に近い量になります。
数字を知っておくと、日々の選択が変わってきます。
カリウムには体内の余分なナトリウム(塩分)の排出を促す働きがあります。食物繊維は余分なコレステロールや糖の吸収を抑え、血管を守ります。
この組み合わせは、むくみの改善や動脈硬化の予防に働きかけます。
■ 多く含まれる食品
カリウム:野菜、果物、いも類、海藻、大豆製品
食物繊維:野菜、きのこ、海藻、玄米
■ 日本人はどのくらい摂れているか
カリウムの平均摂取量は男性で約2,370mg/日、女性で約2,190mg/日とされています。多くの方にとって、あと一皿分ほど意識して足す余地がある栄養素です。
ここは必ずお読みください。
腎臓の機能が低下している方は、カリウムの摂りすぎに注意が必要です。
腎機能が低下すると、カリウムを体外へ出す力も落ちます。体内にカリウムが溜まると高カリウム血症という状態になり、次のようなことが起こる可能性があります。
・不整脈
・吐き気、下痢
・重い場合は心停止に至ることもあります
慢性腎臓病が進行している場合などは、むしろカリウムを制限する必要があります。
そして知っておいていただきたいのは、高血圧と腎臓は互いに影響し合う関係にあるということです。血圧が高い状態が続くと腎臓に負担がかかり、腎機能が落ちると血圧が上がりやすくなります。
■ 次に当てはまる方は、必ず主治医にご確認ください
・健康診断で腎機能(クレアチニン、eGFR)に指摘を受けたことがある
・慢性腎臓病と診断されている
・降圧薬の中でも、カリウムに影響するものを服用している
「体にいいから」と自己判断で増やさないでください。
マグネシウムは血管の収縮をやわらげ、カルシウムは筋肉の働きを調整します。この2つは互いに影響し合って働くため、バランスよく摂ることが大切です。
■ 多く含まれる食品
マグネシウム:海藻、ナッツ、大豆製品、玄米
カルシウム:牛乳、小魚、大豆製品、小松菜
マグネシウムについては健康の鍵を握るミネラル「マグネシウム」の働きと摂取のポイントで詳しく解説しています。
どちらも抗酸化のはたらきを持ち、血管の老化(動脈硬化)につながるコレステロールの酸化を防ぐ方向に働くと考えられています。
■ 多く含まれる食品
抗酸化ビタミン(A・C・E):緑黄色野菜、果物、ナッツ
ポリフェノール:大豆、緑茶、ベリー類、野菜
ポリフェノールが血管を保護し、水溶性食物繊維が脂質の吸収を抑えます。血液の流れや血管の状態を保つうえで役立つ組み合わせです。
■ 多く含まれる食品
水溶性食物繊維:海藻、オクラ、もち麦、果物
「お肉は血圧に悪そう」と避けていませんか。
実はたんぱく質が不足すると血管の壁がもろくなり、かえって脳卒中などのリスクを高めることがあります。
脂身の少ない肉や魚と、大豆製品をバランスよく組み合わせることが、しなやかで強い血管をつくる鍵になります。
40代以降は、たんぱく質を減らしすぎないことが特に重要です。詳しくは5大栄養素の役割とは|40代からの体をつくる食事の基本をご覧ください。
■ 「1品だけ」から始める減塩
すべての料理を薄味にすると物足りず、長続きしません。まずは「お味噌汁だけは薄味にする」など、1品から始めてみてください。
汁物を1日1杯減らすだけでも、塩分は目に見えて変わります。
■ 適切な食事量を知る
高血圧の大きな要因の一つは肥満です。「最近、体重が増えてきた」と感じているなら、今の食事量が体格に対して多いサインかもしれません。
■ 良質な脂質は抜かない
「太りそうだから」と油を完全に抜くのは逆効果です。青魚に含まれるEPA・DHAは、血液が固まりにくい状態を保つことに関わり、生活習慣病の予防に役立つとされています。
油の選び方はオメガ3とオメガ6のバランス|油の摂り方を見直すをご覧ください。
女性は更年期を境に、血圧が上がりやすくなります。
女性ホルモンのエストロゲンには血管をしなやかに保つ働きがあり、閉経に伴ってこれが減少するためです。「これまで血圧を指摘されたことがなかったのに」という変化は、この年代によく見られます。
体質が変わったわけではなく、体の条件が変わったということです。
食事の工夫は大切ですが、それだけでは足りません。
運動には血圧を下げる働きがあることが知られています。ただし血圧が高い状態での運動には、注意すべき点があります。特に息を止めて力むと、血圧が一時的に大きく上がります。
安全な運動の進め方は血圧が高くても筋トレして大丈夫?安全に運動するためのポイントで解説しています。
高血圧の原因と全体像については高血圧を予防・改善!生活習慣と食事で取り組む原因と対策もあわせてご覧ください。
「自分に合った食事量が分からない」
「血圧が高めなので、どこまで運動していいのか不安」
こうしたご相談をよくいただきます。
アップルフィット倉敷に通われている方の多くは40代以上の女性です。「健康診断の数値を整えたい」「この先も自分の足で元気に動いていたい」という理由でお越しになる方が中心です。
完全個室で、経験豊富な女性トレーナーが、その日の血圧と体調を確認しながら内容を調整します。
なお治療や服薬に関する判断は、私たちの領分ではありません。必ず主治医にご相談ください。
・高血圧対策は「減らす」だけでなく「足す」視点を
・この考え方はDASH食として学会のガイドラインにも掲載されています
・減塩の目安は1日6g未満
・腎機能に指摘がある方は、カリウムについて必ず主治医に確認を
・たんぱく質を減らしすぎると、かえって血管がもろくなる
・40代以降の女性は、ホルモンの変化で血圧が上がりやすくなる
一歩ずつ、5年後10年後も心地よく過ごせる体をつくっていきましょう。