
トレーニング中に「腹圧をかけて」と言われたことはありませんか。
なんとなくお腹に力を入れてはいるけれど、実は何をしているのか分からない。そんな方はとても多いと思います。
実は腹圧は、
腰への負担を大きく左右する大切な仕組みです。腰痛でお悩みの方、お腹まわりが気になる方にも関わってきます。
今回は、腹圧とは何か、なぜ大切なのか、そしてどうかければよいのかをお伝えします。
腹圧とは何か
腹圧とは、正式には
腹腔内圧(ふくくうないあつ)といいます。
お腹の中にある、胃や腸などの臓器が収まっている空間。この空間にかかる圧力のことです。
この空間は、上を横隔膜、下を骨盤底、前と横を腹壁、後ろを背骨に囲まれています。
風船に空気が入っている状態をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
風船がパンパンに膨らんでいれば、外から押されても形を保てます。逆に空気が抜けた風船は、簡単につぶれてしまいます。体の中でも同じことが起きています。
「腹圧」と「体幹」は違います
腹圧と混同されやすい言葉に「体幹」があります。どちらもお腹まわりに関わる言葉ですが、意味は異なります。
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腹圧:お腹の空間にかかる圧力のこと
・
体幹:体の幹となる部分。一般的に頭と手足を除いた胴体全体
体幹が「場所」を指すのに対し、腹圧は「状態」を指すとお考えください。体幹の筋肉を使って、腹圧という状態をつくり出すイメージです。
腹圧を高めると何がいいのか
■ 腰への負担が減る
これが最も大きな効果です。腹圧が高まると背骨が内側から支えられ、安定します。
研究では、腹腔内圧が高まることで
椎間板にかかる負担が30〜50%軽減されるとされています。腰にかかる力の3分の1から半分が減ると考えると、その大きさが分かると思います。
腹圧が低いままだと反り腰になりやすく、腰に負担が集中します。腰痛にお悩みの方にとって、腹圧は重要な鍵になります。
■ 姿勢が整う
腹圧が高い状態は、
筋肉でできた天然のコルセットを巻いているようなものです。体の中心が安定することで、自然と姿勢が保ちやすくなります。
■ お腹まわりの印象が変わる
腹圧が低いと、姿勢の崩れとあわせてお腹が前に出て見えやすくなります。腹圧を意識できるようになると、腹部の筋肉も働くようになり、お腹まわりの印象が変わってきます。
■ 動きが効率的になる
体の中心が安定すると、余分な力を使わずに手足を動かせるようになります。運動のパフォーマンスだけでなく、重い荷物を持つ、階段を上るといった日常動作にも効いてきます。
40代以降こそ意識したい理由
年齢を重ねると、お腹まわりの筋肉は自然と衰えていきます。
出産経験のある方は、腹筋群や骨盤底筋がゆるみやすくなっていることもあります。デスクワークや長時間の座位も、腹圧をかける感覚を鈍らせる要因です。
「以前より腰が疲れやすい」「お腹だけ出てきた気がする」
こうした変化の背景に、腹圧の低下が関わっていることは少なくありません。
これは筋力そのものより「使い方」の問題であることも多く、意識するだけで変わる部分があります。
腹圧のかけ方には2種類あります
腹圧のかけ方には、目的によって使い分ける2つの方法があります。
■ ドローイン(お腹を凹ませる)
息を吐きながら、おへそを背骨に近づけるようにお腹を凹ませます。お腹の深い位置にある腹横筋を働かせる方法です。
姿勢の改善や腰痛の予防に向いており、日常生活の中でも取り入れやすいのが特長です。デスクワークの合間や、信号待ちの時間にも実践できます。
■ ブレーシング(お腹を固める)
猫背や反り腰にならないよう、上体をまっすぐにします。息を吐きながらお腹に力を入れ、力を入れたまま肺に空気をいっぱい取り込むように吸います。
風船が膨らんだときのように、お腹がパンパンになる感覚があれば成功です。
重いものを持つときや、負荷の高いトレーニングのときに適しています。腰を守りながら力を発揮できます。
■ どちらを使えばいい?
運動が初めての方、腰の不安がある方は、まずドローインから。トレーニングで負荷を扱うようになったら、ブレーシングを覚えていきましょう。
うまくできないと感じたら
腹圧は、目に見えないため自分では判断しにくいものです。
「力を入れているつもりが、実は肩や首に力が入っていた」
「息を止めてしまっていた」
こうしたことは実際によくあります。特に
息を止めて力むのは、血圧が上がりやすく危険です。血圧が気になる方は必ずトレーナーや医師にご相談ください。
呼吸と腹圧は深く関わっています。呼吸そのものについては
1日2万回の呼吸、ちゃんとできていますか?、トレーニング中の呼吸法は
筋トレ効果を最大化する「正しい呼吸法」と体幹安定のコツで解説しています。
また、腹圧の低下と関わりの深い反り腰については
反り腰が引き起こす「体の不調」と解剖学的メカニズムもあわせてご覧ください。
体を痛めずに続けるために
腹圧は、少し難しく感じるかもしれません。けれど、
体を痛めずにトレーニングを続けるうえで欠かせない技術です。
アップルフィット倉敷に通われている方の多くは40代以上の女性です。「短期間で何キロ落としたい」という方よりも、「この先も自分の足で元気に動いていたい」「腰の不安なく過ごしたい」という理由でお越しになります。
完全個室で、経験豊富な女性トレーナーがお一人おひとりの体を確認しながら、腹圧のかけ方からお伝えしています。実際に手を当てて確認することで、自分では分からなかった感覚がつかめるようになります。
まとめ
腹圧は、体の内側から背骨を支える仕組みです。
腰への負担を減らし、姿勢を整え、動きを効率的にする。どれも、5年後10年後も心地よく動ける体につながります。
まずはドローインから、日常の中で少しずつ試してみてください。感覚がつかめないときは、遠慮なくご相談ください。