
「成長ホルモン」と聞くと、子どもの成長に必要なものというイメージがあるかもしれません。
でも実は、成長ホルモンは大人になってからも大切な役割を担っています。
今回は、大人にとっての成長ホルモンの働きと、その分泌と深く関わる「睡眠」を中心に、毎日の生活で意識したいポイントをお伝えします。
成長ホルモンは大人にも大切なホルモン
成長ホルモンは、脳の下にある「下垂体」という小さな器官から分泌されるホルモンです。
体の成長と発達を調節し、筋肉をつくるのを促し、脂肪組織を減らすことで、体つきに重要な影響を与えるとされています。
また、体の組織の修復にも関わっています。
成長期が終わった大人にとっても、筋肉や体の回復を支えるホルモンといえます。
ただし、ホルモンの分泌は体の中で細かく調整されているものです。
「成長ホルモンを増やせば、それだけで痩せる」というものではなく、ここで紹介する生活習慣は、あくまで体が本来もっている働きを支えるためのものと考えてください。
成長ホルモンは「深い眠り」のときに多く分泌される
私たちは眠っている間、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という2つの状態を、約90分前後の周期で一晩に4〜5回くり返しています。
このうち、脳や体の休息と回復に関わるのがノンレム睡眠です。
そして、深いノンレム睡眠のときに、成長ホルモンが多く分泌されます。
特に、寝ついてからの深い眠りの時間帯に分泌が活発になるとされています。
つまり、成長ホルモンの働きを支えるうえで、いちばん大切なのは「しっかり眠ること」なのです。
睡眠を整える4つのポイント
国の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」などをもとに、良い眠りのためのポイントを紹介します。
1.6時間以上を目安に睡眠時間を確保する
成人は、6時間以上を目安に、自分に必要な睡眠時間を確保することがすすめられています。
必要な睡眠時間には個人差があるため、朝起きたときに休まった感覚があるかどうかも目安にしましょう。
2.起きる時間をそろえる
平日と休日で起きる時間を大きくずらさないことも大切です。
休日の寝だめで平日の睡眠不足を取り戻すことは難しく、かえって体内時計が乱れる原因になります。
3.寝る直前の食事を避ける
就寝直前の夕食や夜食は、睡眠で休養がとれている感覚を下げる要因の一つとされています。
夕食は寝る直前を避け、早めの時間に済ませるようにしましょう。
4.日中のストレスとうまく付き合う
仕事などによる日中のストレスも、睡眠の休養感を下げる要因として挙げられています。
軽く体を動かす、好きなことに没頭するなど、自分に合った気分転換の方法を見つけておきましょう。
寝つけない、何度も目が覚める、強いいびきがあるなどの悩みが長く続く場合は、かかりつけ医や睡眠の専門医療機関に相談してください。
睡眠と体重の関係については、睡眠不足が太る原因に?ホルモンから見る睡眠と肥満の関係で詳しく紹介しています。
運動と食事で、筋肉と体の回復を支える
筋トレで筋肉を育てる
国の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、筋力トレーニングによって筋力や身体機能、骨密度が改善することが示されています。
週2〜3日を目安に、胸・背中・お尻・脚など大きな筋肉を全身まんべんなく使い、休息日もしっかりとりましょう。
また、運動不足は睡眠の休養感を下げる要因の一つでもあります。
日中に体を動かすことは、夜の良い眠りにもつながります。
減量中に筋トレを組み合わせる理由は、ダイエットに筋トレは必要?減量中に筋肉を守る理由と体重が減らない時期の考え方で解説しています。
たんぱく質をしっかりとる
筋肉や体の組織の材料になるのは、たんぱく質です。
たんぱく質が不足すると筋力も低下してしまうため、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを毎食取り入れましょう。
18歳以上の女性の推奨量は1日50gとされています。
詳しくはタンパク質、足りていますか?食べているのに不足する理由と必要量を参考にしてください。
体重に関わるさまざまなホルモンについては、「痩せホルモン」の正体|GLP-1・レプチンと40代からの整え方もあわせてご覧ください。
まとめ
成長ホルモンは、大人にとっても筋肉づくりや体の回復を支える大切なホルモンです。
深いノンレム睡眠のときに多く分泌されるため、まずは睡眠時間と睡眠のリズムを整えることが基本になります。
そのうえで、筋トレとたんぱく質で筋肉を育て、寝る直前の食事やストレスにも気を配りましょう。
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参考資料
MSDマニュアル家庭版「下垂体の大まかな説明」(2025年)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/12-ホルモンと代謝の病気/下垂体の病気/下垂体の大まかな説明
全国健康保険協会(協会けんぽ)熊本支部「睡眠の基礎知識」(2026年)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/kumamoto/public_relations/007/003/
全国健康保険協会(協会けんぽ)「学ぼう!働く世代の睡眠 第1回 睡眠の役割」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/file/suimin1_pc.pdf
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年)https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 筋力トレーニングについて」(2024年)https://www.mhlw.go.jp/content/001195869.pdf
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」(2025年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
