
ダイエット中、多くの方がぶつかるのが「甘いものを我慢するつらさ」です。
極端に我慢を続けると、反動で食べすぎてしまうこともあります。
そこで気になるのが、カロリーがほとんどない甘味料「ラカント」ではないでしょうか。
ラカントは、エリスリトールという糖アルコールに、羅漢果(ラカンカ)という果実のエキスを組み合わせた甘味料です。
今回は、ラカントの主成分であるエリスリトールの特徴と、国際機関の見解や最近の研究をふまえた上手な使い方をお伝えします。
エリスリトールとはどんな甘味料?
エリスリトールは、果物やキノコ、しょうゆや清酒などの発酵食品にも含まれる糖アルコールです。
甘さは砂糖の60〜70%ほどで、後味がすっきりしているのが特徴です。
エネルギーは1gあたり0kcalとされています。
体に吸収されたあともほとんど代謝されず、そのまま尿として排出されるためです。
参考までに、上白糖のエネルギーは100gあたり391kcalです。
また、エリスリトールは短期的には血糖値やインスリンをほとんど上げないと報告されています。
なお、インスリンは体に欠かせない大切なホルモンで、「太るホルモン」と単純に考えるのは正しくありません。
砂糖の置き換えでできること
煮物や照り焼き、ドレッシング、コーヒーなど、毎日の食事には意外と多くの砂糖が使われています。
たとえば、1日に使う砂糖30gを置き換えると、約117kcal、1か月でおよそ3,500kcal分のエネルギーを減らせる計算になります。
WHO(世界保健機関)は、砂糖などの「遊離糖類」を1日の総エネルギーの10%未満、できれば5%以下に抑えることをすすめています。
1日2,000kcalの人なら、10%は50g(小さじ約12杯)です。
甘味料をうまく使えば、料理の満足感を保ちながら砂糖を減らす助けになります。
知っておきたいWHOの見解と最近の研究
一方で、甘味料は「たくさん使うほど良い」ものではありません。
WHOは2023年のガイドラインで、体重管理や生活習慣病の予防を目的に、砂糖以外の甘味料を使うことは推奨しないとしました。
研究をまとめた結果、長い目で見て体脂肪を減らす効果は確認されなかったためです(推奨の強さは「条件付き」)。
なお、このガイドラインはエリスリトールなどの糖アルコールは対象外としています。
また、2023年にアメリカで発表された研究では、心臓病の検査を受けた患者で、血液中のエリスリトール濃度が高い人ほど、3年以内に心筋梗塞や脳卒中などを起こしやすい傾向が見られました。
この研究は関連を調べた観察研究で、原因と結果の関係までは示されていません。
ただ、エリスリトールが血小板の働きを高め、血栓ができやすくなる可能性も実験で報告されており、研究者は長期的な安全性を調べる必要があるとしています。
心臓や血管の病気がある方、血栓を防ぐ薬を飲んでいる方は、使い方を主治医に相談しておくと安心です。
使うときに気をつけたいこと
一度にたくさんとらない
エリスリトールは、とりすぎるとお腹がゆるくなることがあります。
欧州食品安全機関(EFSA)は2023年の評価で、下痢を防ぐ観点から許容一日摂取量を体重1kgあたり0.5gとしました。
体重50kgの方なら1日25gが目安です。
ゼロカロリー飲料やお菓子にも使われていることがあるので、原材料表示も見てみましょう。
甘さに慣れすぎない
カロリーがないからといって甘いものを増やすと、甘さへの慣れはそのままです。
WHOも、食事全体の甘さを少しずつ控えることをすすめています。
果物や無糖のヨーグルトなど、自然な甘みを楽しむ習慣もあわせて取り入れましょう。
甘いものとの付き合い方は、ダイエット中のおやつ選び|我慢より大切なのは「選び方」でも紹介しています。
我慢ではなく「選び方」で続ける
ラカントのような甘味料は、魔法の食品ではありません。
砂糖を減らしたいときの「道具のひとつ」として、量を決めて使うのが上手な付き合い方です。
たとえば、たんぱく質のとれるヨーグルトやプロテインに少し加えたり、煮物の砂糖の一部を置き換えたりするのも方法です。
甘味料を使ったおやつはダイエット中に作りたい「罪悪感0スイーツ」、飲み物に含まれる糖については果糖ぶどう糖液糖に注意!ダイエット中に知っておきたい糖質の特徴も参考にしてください。
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参考資料
国立健康・栄養研究所「エリスリトール、エリトリトール」(「健康食品」の安全性・有効性情報 素材情報)https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/pdf/k259.pdf
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 上白糖」(2023)https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=3_03003_7
Witkowski M, et al.「The artificial sweetener erythritol and cardiovascular event risk」Nature Medicine(2023)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10334259/
World Health Organization「Healthy diet(Fact sheet)」(2026)https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/healthy-diet
World Health Organization「Use of non-sugar sweeteners: WHO guideline」(2023)https://www.who.int/publications/i/item/9789240073616
World Health Organization「WHO advises not to use non-sugar sweeteners for weight control in newly released guideline」(2023)https://www.who.int/news/item/15-05-2023-who-advises-not-to-use-non-sugar-sweeteners-for-weight-control-in-newly-released-guideline
EFSA Panel on Food Additives and Flavourings「Re-evaluation of erythritol (E 968) as a food additive」EFSA Journal(2023)https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8430
