
年齢とともに「昔と同じ食事なのに太りやすくなった」と感じることはありませんか。
そんなときに耳にするようになったのが「レジスタントスターチ」という言葉です。
冷やご飯に多いと聞いて、気になっている方もいるかもしれません。
今回は、レジスタントスターチとはどんなものか、調理のしかたで量がどう変わるのかを研究結果をもとに整理し、毎日の食事への取り入れ方を紹介します。
レジスタントスターチとは
レジスタントスターチは、日本語で「難消化性でんぷん」と呼ばれます。
ご飯やじゃがいもに含まれるでんぷんの一部で、小腸で消化されにくく、大腸まで届いて腸内細菌に利用されることから、食物繊維のような働きをするでんぷんとされています。
米飯などの穀物、じゃがいも、豆類に含まれ、調理や加工の過程でもつくられます。
冷ます・冷凍・温め直しで量はどう変わる?
日本調理科学会で発表された研究では、ご飯や麺類のレジスタントスターチの量を、調理方法を変えて測定しています。
炊きたてのご飯を1時間室温に置くと、約2.9倍に増えた
炊きたてのご飯を24時間冷凍すると、約2.1倍に増えた
冷めたご飯や冷凍ご飯を電子レンジで温め直しても、量はほとんど減らなかった
スパゲッティでも、ゆでたあと1時間置くと約2.0倍に増えていました。
つまり、温かいご飯を食べたい方も、冷凍ご飯をレンジで温めて食べれば、炊きたてより多くのレジスタントスターチをとれる可能性があるということです。
ただし、これは学会での発表で、限られた条件での測定結果です。
家庭のご飯で同じだけ増えるとは限らない点は、知っておきましょう。
期待できることと、まだ分かっていないこと
レジスタントスターチは、食物繊維と同じように腸内環境を整えると考えられています。
女性の便秘で、排便の回数が増えたという報告もあります。
一方で、国立健康・栄養研究所の情報では、ヒトでの効果はまだ十分に確かめられていません。
肥満への効果については報告が見当たらず、体脂肪率が下がったという試験でも、体重や血糖値には違いが見られなかったとされています。
また、冷めたご飯でも炭水化物であることに変わりはありません。
「冷やご飯ならたくさん食べても大丈夫」ではないので、量はいつもどおりを心がけましょう。
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大切なのは食物繊維全体をとること
レジスタントスターチだけに注目するより、食物繊維全体を意識するほうが現実的です。
食物繊維の1日の目標量は、18〜74歳の女性で18g以上とされています。
国民健康・栄養調査では、成人の実際の摂取量は1日18.4gで、生活習慣病予防のための理想とされる25g以上には届いていません。
食品100gあたりの食物繊維は、精白米のご飯が0.3g、発芽玄米のご飯が1.8gです。
豆類は、ゆでたいんげん豆が13.6g、ゆでたあずきが12.1gと多く含まれています。
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毎日の食事に取り入れる簡単な工夫
・ご飯はまとめて炊いて冷凍し、食べるときにレンジで温める
・お弁当やおにぎりは、冷めた状態で食べる
・じゃがいもは加熱したあと冷まして、ポテトサラダにする
・豆類をサラダやスープに加えて、食物繊維も一緒にとる
冷ましたご飯やおかずは、室温に長く置かず、冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。
「頑張って食事を減らす」のではなく、いつもの食事を少し工夫して整えていくことが、長く続けるコツです。
まとめ|無理なく続けられる食習慣を
レジスタントスターチは、ご飯を冷ましたり冷凍したりすることで増え、温め直しても減りにくいことが分かってきました。
ただ、体への効果はまだ研究の途中です。
特別な食品に頼るより、食物繊維全体と食事のバランスを意識することが、5年後、10年後も元気に動ける体づくりにつながります。
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参考資料
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報 レジスタントスターチ」https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/pdf/k348.pdf
笠岡誠一・古野麻衣子・佐野貴士「レジスタントスターチは冷ますと増えてレンジで減らない」日本調理科学会大会研究発表要旨集(2021)https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/32/0/32_23/_article/-char/ja/
長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」(2024年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
