
40代を迎えてから、「以前と同じ生活をしているのに太りやすくなった」「健康診断の血糖の数値が少しずつ上がってきた」と感じることはありませんか。
最近、体の「コゲ」と呼ばれる「糖化(とうか)」という言葉を耳にする機会が増えました。
糖化は、美容の話題として取り上げられることが多いのですが、実は健康診断でおなじみの数値とも深く関わっています。
今回は、糖化の正体と、40代から気をつけたい血糖値との付き合い方を、公的機関の情報をもとにお伝えします。
糖化ってなに?いちばん身近な例は「HbA1c」
糖化とは、血液中の糖(ブドウ糖)が、体のたんぱく質に酵素の働きを介さずに結びつくことをいいます。
体の中の糖化は、パンを焼いたときの「こんがりとした焼き色」にたとえて「体のコゲ」と呼ばれることもあります。
体の中の糖化で、いちばん身近な例が、健康診断の血液検査にある「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」です。
ヘモグロビンは赤血球の中にあるたんぱく質で、つくられてから壊されるまでの約120日の間、血液中の糖にさらされ、一部が糖と結びつきます。
この、糖と結びついたヘモグロビンの割合を表したものがHbA1cです。
血液中の糖の濃度が高い状態が続くほど、糖と結びついたヘモグロビンの割合は高くなります。
そのため、HbA1cは過去1〜2か月の平均的な血糖値を反映する指標として使われています。
糖化を進めるのは「高い血糖が続くこと」
HbA1cのしくみからわかるように、糖化に大きく関わるのは、血液中の糖の濃度が高い状態がどれだけ続くかです。
糖尿病情報センターによると、血糖値が何年もの間高いまま治療されずにいると、血管が傷ついたり詰まったりして、心臓病や目、腎臓、神経などのさまざまな合併症につながります。
また、高血糖は、血管が硬く狭くなる動脈硬化、いわゆる「血管の老化」を進める原因にもなるとされています。
こうした合併症は、数年から数十年かけてゆっくり進み、かなり進行するまで症状が出ないこともあります。
糖化を「見た目の老化」の話だけでなく、血管と体全体の健康を守る話として考えることが大切です。
40代から血糖値が上がりやすくなる理由
「食べる量は変わっていないのに、数値が上がってきた」と感じるのには、理由があります。
血糖値を下げるホルモンであるインスリンは、筋肉や肝臓、脂肪組織に働き、血液中の糖を筋肉などに取り込ませて使わせています。
ところが、年齢を重ねると筋肉量が減り、体の中の脂肪の割合が増えることで、インスリンが効きにくくなります。
さらに、食後に上がった血糖値を抑えるために追加で出るインスリンの量も、加齢とともに減ってくるため、食後の血糖値が上がりやすくなるとされています。
体力や活動量が落ちて、使うエネルギーが減ることも重なります。
つまり、40代からの血糖値の変化には、筋肉量の減少と活動量の低下が深く関わっているのです。
健康診断のHbA1c、こんな数値なら要注意
健康診断の結果が手元にある方は、HbA1cの数値を確認してみましょう。
糖尿病情報センターによると、特定健診では次のように推奨されています。
・HbA1c 5.6〜6.4%:特定保健指導の対象
・HbA1c 6.5%以上:医療機関の受診
特に6.5%以上の場合は、自己判断で様子を見ず、早めに医療機関を受診してください。
また、すでに糖尿病の治療を受けている方は、運動や食事の内容を主治医と相談しながら進めましょう。
糖化を防ぐ習慣は、血糖値を安定させる習慣
糖化を防ぐために特別なことをする必要はありません。
高い血糖が続かないように、毎日の生活を整えることが基本です。
筋肉を保つ・増やす
インスリンの働きで糖を取り込んで使う、大きな受け皿のひとつが筋肉です。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、筋力トレーニングを週2〜3日行うことがすすめられています。
筋トレをしている人は、していない人に比べて、糖尿病などの発症リスクが10〜17%低いことも報告されています。
座りっぱなしの時間を減らす
同じガイドでは、長く座り続ける時間をこまめに(たとえば30分ごとに)中断することが、食後の血糖値などに関わるリスクを下げるうえで重要だとしています。
食後に食器を片づけて立って動く、テレビのCMの間に立ち上がるといった小さな工夫から始めてみましょう。
食事は「量」と「とり方」を見直す
甘い飲み物やお菓子が習慣になっていないか、主食・主菜・副菜のそろった食事になっているかを見直すことも大切です。
食べる順番など具体的な食事の工夫は、糖尿病予防の食事編|40代からの血糖値と女性ホルモンの関係で詳しくお伝えしています。
運動の取り入れ方は、糖尿病の予防と改善方法-運動編-|血糖値を安定させる筋トレと有酸素運動のコツもあわせてご覧ください。
5年後、10年後の自分のために
糖化への対策は、一時的な美容法ではなく、5年後、10年後も元気に動ける体を保つための準備です。
健康診断の数値をきっかけに、筋肉を保つ運動と、無理のない食事の見直しを始めてみませんか。
アップルフィット倉敷では、完全個室で、経験豊富な女性トレーナーがマンツーマンで指導しています。
体成分測定で筋肉量の変化を確認しながら、一人ひとりの体力や生活に合わせて、無理なく続けられる運動と食事の組み立て方をご提案します。
「健康診断で血糖の数値を指摘された」「何から始めればいいかわからない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
参考資料
糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「糖尿病と関連する検査」https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/030/010/02.html
糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「糖尿病の慢性合併症はどうしておきるの?」https://dmic.jihs.go.jp/content/060_020_02.pdf
厚生労働省 e-ヘルスネット「ヘモグロビンA1c / HbA1c」(2023年)https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-066.html
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「糖代謝の老化」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/toutaisha-rouka.html
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨事項(成人版)(2024年)https://www.mhlw.go.jp/content/001195866.pdf
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」筋力トレーニングについて(2024年)https://www.mhlw.go.jp/content/001195869.pdf
