
乳製品、食べていますか?
「牛乳は太りそう」「チーズは脂っこいから控えている」と、ダイエット中は乳製品を避けがちという方も多いのではないでしょうか。
実は、乳製品は体重管理中にこそ上手に取り入れたい食品のひとつです。
特に40代以降の女性にとっては、骨の健康を支えるカルシウムの大切な供給源でもあります。
今回は、ダイエット中に乳製品をとるメリットと、どんな乳製品をどのくらいとればよいのか、注意したいポイントをお伝えします。
ダイエット中に乳製品をとるメリット
体重管理中の研究で分かってきたこと
2016年に発表された研究のまとめ(メタ解析)では、食事のエネルギーを控えて体重を減らしている18〜50歳の成人を対象にした、27件の比較試験が分析されました。
その結果、乳製品を多くとったグループ(1日2〜4食分の乳製品など)は、乳製品が少ないグループに比べて、体重と体脂肪がやや多く減り、筋肉などの除脂肪量の減少が小さかったと報告されています。
差は平均すると体重で約1.2kg、体脂肪で約1.5kgで、主に女性が参加した研究の結果です。
ただし、筋トレを組み合わせた研究では、乳製品による体重・体脂肪の差はみられませんでした。
また、対象は50歳までの方で、乳製品だけで体重が減るという意味ではありません。
あくまで「食事全体を整えるなかで、乳製品を抜かずに取り入れることが、減量中の体づくりを支える可能性がある」と受け止めるのがよいでしょう。
40代からはカルシウムがより大切に
骨は、つくられることと溶け出すことを繰り返しながら、少しずつ生まれ変わっています。
女性は閉経後、骨が溶け出す量のほうが多くなり、骨量が減っていきます。
カルシウムが不足した状態が長く続くと、閉経後の女性では骨粗しょう症が起こりやすくなります。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、18〜74歳の女性のカルシウムの推奨量は1日650mgとされていますが、令和5年の国民健康・栄養調査ではカルシウムの摂取量は489mgと、日本人はカルシウムが不足しています。
牛乳・乳製品は、日本人がカルシウムをとっている食品のなかで最も多い供給源です。
植物性の食品に比べてカルシウムが吸収されやすく、効率よくとるには牛乳や乳製品が最適とされています。
食事量を減らしがちなダイエット中こそ、乳製品を抜くとカルシウム不足に傾きやすくなります。
骨の健康については、骨密度の低下を防ぐには?運動と栄養で丈夫な身体づくりを目指そうや骨を丈夫にするならカルシウムだけじゃだめ!一緒にとりたい栄養素と食べ方もあわせてご覧ください。
たんぱく質の補給にも
牛乳やヨーグルト、チーズはたんぱく質も含んでいます。
ダイエット中は肉や魚を控えすぎてたんぱく質が不足しがちなので、乳製品はたんぱく質を補う手軽な選択肢にもなります。
たんぱく質の必要量については、タンパク質、足りていますか?食べているのに不足する理由と必要量で詳しく紹介しています。
1日にどのくらいとればいい?
国の「食事バランスガイド」では、牛乳・乳製品の1日の目安は「2つ(SV)」とされています。
「1つ」の基準は、乳製品に由来するカルシウム約100mgです。
牛乳コップ半分(100ml)、ヨーグルト1パック、スライスチーズ1枚、チーズ1かけが、それぞれ「1つ」の目安です。
牛乳コップ1杯(200ml)なら「2つ」になります。
たとえば、朝食にヨーグルトを1パック、間食や料理にスライスチーズを1枚加えれば、1日の目安に届きます。
1回の食事量が少ない方は、牛乳やヨーグルトを間食にとると取り入れやすくなります。
ダイエット中におすすめの乳製品と選び方
乳製品なら何でもよいわけではありません。
選ぶときは、次のポイントを意識しましょう。
カロリーや脂肪が気になるなら低脂肪タイプを
牛乳やチーズは、たんぱく質と一緒に脂肪も含んでいます。
カロリーや脂肪が気になる方は、低脂肪乳やカッテージチーズを利用するのがおすすめです。
ヨーグルトは無糖を基本に
ヨーグルトは、砂糖が加えられていない無糖タイプを基本にすると、余分な糖分を控えられます。
商品によってたんぱく質や脂質の量が違うので、栄養成分表示を見比べてみてください。
ヨーグルトの選び方や食べ合わせは、ボディメイクにヨーグルトがおすすめな理由|選び方や食べ合わせを紹介で紹介しています。
生クリームやアイスクリームは「お菓子」と考える
生クリームやアイスクリームは乳製品からつくられていますが、糖分や脂肪が多いため、食事バランスガイドでは乳製品には数えず、お菓子として扱います。
「乳製品だから大丈夫」と食べすぎないようにしましょう。
乳製品をとるときの注意点
チーズは塩分に気をつける
チーズはカルシウムやたんぱく質が豊富な一方で、塩分も多い食品です。
とりすぎないよう、1日の目安量を意識しましょう。
お腹がゴロゴロしやすい方は
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、張ったりする方もいます。
これは、牛乳に含まれる乳糖をうまく分解できない「乳糖不耐症」が関係していることがあります。
実は、北欧系の人々などを除くと、大人の多くは大量の乳糖を消化できないとされています。
成人では、コップ1杯強(250ml程度)以上の牛乳を一度に飲んだときに症状が出ることが多いため、少しずつ飲む、温めて料理に使う、といった工夫が役立ちます。
ヨーグルトは乳糖を分解する酵素を含むため、チーズは牛乳より乳糖が少ないため、どちらも比較的食べやすいことが多いとされています。
乳糖を減らした牛乳も市販されています。
乳製品が合わない方は、小魚や海藻、大豆製品などからカルシウムをとる工夫もできます。
大豆製品の取り入れ方は、「減らす」より「取り入れる」|豆乳で整える体づくりが参考になります。
なお、乳製品を食べたあとにかゆみや発疹、息苦しさなどが出る場合は、牛乳アレルギーなど別の原因も考えられるため、医療機関に相談してください。
「食べすぎ」は乳製品でも同じ
体によい食品でも、とりすぎればエネルギーのとりすぎにつながります。
乳製品「だけ」を増やすのではなく、主食・主菜・副菜・果物と組み合わせて、食事全体のバランスを整えることが大切です。
極端に食事を減らすダイエットのリスクについては、自己流ダイエットが招く体のトラブル|筋肉・骨・月経を守る正しい減らし方で解説しています。
まとめ
乳製品は、ダイエット中に避けるよりも、上手に取り入れたい食品です。
体重管理中に乳製品を抜かずにとることは、減量中の体づくりを支える可能性があり、40代以降に不足しやすいカルシウムの補給にも役立ちます。
1日の目安は「2つ」。
低脂肪タイプや無糖ヨーグルトを選び、チーズの塩分や食べすぎに気をつけながら、毎日の食事に取り入れてみてください。
もちろん、体づくりには食事だけでなく運動も大切です。
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参考資料
Stonehouse W, et al. “Dairy Intake Enhances Body Weight and Composition Changes during Energy Restriction in 18-50-Year-Old Adults: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.” Nutrients(2016)https://www.mdpi.com/2072-6643/8/7/394
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「カルシウムの働きと1日の摂取量」(2025年更新・日本人の食事摂取基準2025年版に基づく)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-ca.html
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「牛乳・乳製品の摂取量の目安」(2024年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/milk.html
農林水産省「食事バランスガイド早分かり 『何を』『どれだけ』材料と料理区分」https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html
MSDマニュアル家庭版「乳糖不耐症」(2025年)https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/03-消化器系の病気/吸収不良/乳糖不耐症
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(2024年)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
