
「以前は楽だった階段が、最近は息苦しく感じる」
「夕方になると、どうしても疲れが抜けない」
そんなふうに感じたら、それは体が「体力づくりを始めるタイミングだよ」と教えてくれているサインかもしれません。
「もうこの年齢だし、今さら始めても変わらないのでは?」と諦める必要はありません。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、今よりも少しでも多く体を動かすことが勧められており、体を動かしていない人ほど、少しの活動で大きな効果が期待できるとされています。
今回は、健康寿命を延ばし、いつまでも自分の足で軽やかに歩くための体力づくりの目安と、無理なく続けるコツをご紹介します。
今の「体力」をセルフチェックしてみましょう
まずは、現在の体の状態を振り返ってみてください。
次の項目に、一つでも心当たりはありませんか。
・階段や坂道をのぼると、すぐに息が切れてしまう
・近所への移動も、ついつい車を選びがち
・家族と出かけると、すぐに休憩したくなる
・1週間のうち、意識して体を動かす時間がほとんどない
・平日は1日の大半を座って過ごしている
これらは体力が落ちてきているサインかもしれませんが、同時に「伸びしろ」でもあります。
気づいた今こそ、体を変えるチャンスです。
体力は、健康の「ものさし」
ここでいう体力とは、主に全身持久力、つまり息を切らさずに長く体を動かし続ける力のことです。
厚生労働省のガイドでは、全身持久力は死亡や病気の発症の強い予測因子であり、全身持久力が1メッツ高いごとに、死亡や循環器病による死亡のリスクが10〜20%ほど低いという研究のまとめが紹介されています。
メッツとは運動の強さを表す単位で、ふつうの歩行が3メッツにあたります。
全身持久力は20〜30代で大きく下がり、40代以降はゆるやかに下がっていきます。
同じガイドによると、重い荷物を運ぶような強い活動を3分以上続けられるのは、女性では40代のおよそ半数とされています。
低い人から高い人まで、今より少しでも全身持久力を高めることで、健康上の大きな利益が期待できるとされています。
心の健康にも
体を動かすことの良さは、体だけではありません。
97件の研究のまとめ(参加者約12万8千人)をさらに統合した報告では、運動などの身体活動によって、気分の落ち込みや不安、心理的なストレスがやわらぐことが示されています。
効果は中程度で、運動の強さが高いほど改善が大きい傾向がありました。
なぜ気分がよくなるのか、その仕組みはまだはっきりとはわかっていませんが、「動くと気持ちが軽くなる」ことは、多くの研究で裏づけられています。
どのくらい動けばいい?厚生労働省の目安
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、次のような目安が示されています。
■ 成人(18〜64歳)
・歩行またはそれ以上の強さの身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)
・息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
・筋力トレーニングを週2〜3日
・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意
■ 高齢者(65歳以上)
・歩行またはそれ以上の強さの身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)
・筋力、バランス、柔軟性などを組み合わせた運動を週3日以上
・筋力トレーニングを週2〜3日
・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意
ここでいう身体活動には、運動だけでなく、買い物や掃除、通勤などの日常生活の動きも含まれます。
数字は「目安」。満たせなくても大丈夫です
数字を見て「とても無理」と感じた方もいるかもしれません。
ガイドのQ&Aでは、推奨事項はあくまで目安であり、1回20分以上続けないと効果がない、週3回以上でないと効果がない、といった決まりはないとされています。
短い時間の積み重ねでも、健康づくりの効果は得られます。
まずは今より1日10分多く体を動かすことから始めましょう。
ガイドでは、1日10分身体活動を増やすことで、生活習慣病の発症や死亡のリスクが約3%低下すると推測されています。
歩数の目安については1日7,000歩でも健康に役立つ?「1万歩」の根拠と40代からの歩き方で詳しく解説しています。
日常生活でできる「小さな工夫」から
いきなりハードな運動をする必要はありません。
まずは毎日の暮らしを「体を動かす場」に変えてみましょう。
・エスカレーターより階段を選ぶ
1階分だけでも構いません
・近い距離は歩く
車を少し遠い駐車場に停めるだけでも、歩く量が増えます
・家事をこまめに
掃除、洗濯、買い物も立派な身体活動です
・座りっぱなしを区切る
テレビのCMのたびに立ち上がる、30分に一度は席を立つ
座っている時間が長いほど死亡リスクが高くなる一方、長く座り続けることを30分ごとなど、できるだけ頻繁に中断することが、食後の血糖値やインスリンの効きを保つうえで大切だと報告されています。
平日の座っている時間が8時間以上という人は、男性で38%、女性で33%にのぼるという調査もあります。
階段がつらく感じる方は最近、階段上りにくくなっていませんか?もあわせてご覧ください。
慣れてきたら「息が弾む運動」と筋トレを
日常の動きが増えてきたら、少しずつ運動を取り入れていきましょう。
息が弾む運動で、全身持久力を高める
全身持久力を高めるには、ウォーキングや自転車、水泳などの有酸素運動を習慣にすることが有効です。
ガイドでは、1回30分、週3回以上を目安に、主観的に「ややきつい」と感じる程度の強さが適切だとしています。
はじめは「少し息が弾むけれど、会話はできる」くらいの速歩きから始めると、無理なく続けやすいでしょう。
有酸素運動と筋トレの違いは有酸素運動と無酸素運動の違い|効果的な取り入れ方を解説で解説しています。
筋トレは、何歳からでも始められる
体力づくりで忘れてはいけないのが、筋力トレーニングです。
厚生労働省の情報シートでは、筋力トレーニングによって筋力や身体機能、骨密度が改善し、高齢の方では転倒や骨折のリスクも下がるとされています。
週2〜3日を目安に、スクワットなどの自重トレーニングからでも十分です。
年齢を重ねてからの筋トレについては高齢者こそ筋トレが必要な理由|90歳でも続けられる体づくり、筋肉が減る「サルコペニア」については【40代から始める健康対策】サルコペニアとフレイルを予防する方法とは?をご覧ください。
持病がある方、膝や腰に痛みがある方、しばらく運動をしていなかった方は、始める前にかかりつけ医に相談し、体調に合わせて無理のない範囲で行ってください。
一人で続ける自信がない方へ
体力づくりは、10年後、20年後の自分へのいちばんのプレゼントです。
まずは今日、いつもより一歩だけ多く歩くことから始めてみませんか。
もし「一人で続ける自信がない」「膝や腰に不安があって、どんな運動をすればいいか迷う」という方は、アップルフィット倉敷へご相談ください。
アップルフィット倉敷は完全個室のパーソナルジムで、経験豊富な女性トレーナー5名が在籍しています。
お客様の約7割が40歳以上で、短期間で体重を落とすことよりも、「5年後、10年後も元気に動ける体」を目指して通われる方が多くいらっしゃいます。
お一人おひとりの体力に合わせて、無理のないプログラムをご提案します。
LINEでの食事や生活習慣のご相談、トレーニング後の高タンパクスムージーなど、続けやすさにもこだわっています。
何歳からでも、体は少しずつ応えてくれます。
私たちと一緒に、いつまでも元気に動ける体づくりを始めましょう。
参考資料
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項 成人版」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001195866.pdf
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項 高齢者版」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001195868.pdf
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート 全身持久力(最高酸素摂取量)について」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001195874.pdf
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート 筋力トレーニングについて」(2024)https://www.mhlw.go.jp/content/001195869.pdf
Singh B, et al.「Effectiveness of physical activity interventions for improving depression, anxiety and distress: an overview of systematic reviews」Br J Sports Med(2023)https://europepmc.org/article/MED/36796860
