
「食事は野菜から先に食べる」。
いわゆるベジファーストは、食後の血糖値の急な上昇をおさえる食べ方として広く知られてきました。
最近は「ベジファーストはもう古い」という声を聞くこともありますが、本当なのでしょうか。
結論からお伝えすると、ベジファーストが否定されたわけではありません。
ただ、「野菜だけを先に」という形にこだわらず、「ごはんなどの炭水化物を後にする」と広く考えたほうが、続けやすく、たんぱく質不足も防ぎやすくなります。
今回は、食べる順番に関する研究と、40代からの上手な取り入れ方をお伝えします。
ベジファーストの根拠は今も有効
日本の研究では、2型糖尿病の方が野菜を先に、ごはんなどの炭水化物を後に食べると、逆の順番に比べて食後の血糖値とインスリンの上昇が小さくなり、血糖コントロールの改善が2.5年間続いたと報告されています。
同じ研究グループの試験では、血糖値が正常な人でも、野菜を先に食べたほうが血糖値の変動が小さくなりました。
つまり、ベジファーストは「古くなった」わけではなく、今も根拠のある食べ方のひとつです。
血糖値の急な上がり下がりについては、“血糖値スパイク”を防ぎ、リバウンドしない体へ|40代からの賢い整え方で詳しく解説しています。
「炭水化物を最後に」という考え方
その後の研究では、「野菜を先に」だけでなく、「肉や魚などのたんぱく質と野菜を先に、炭水化物を後に」という食べ方でも、同じような効果が報告されています。
アメリカで行われた、血糖値が高めの方(境界型)15人を対象にした研究では、同じ食事を3通りの順番で食べ比べました。
① 炭水化物を先に、10分後にたんぱく質と野菜
② たんぱく質と野菜を先に、10分後に炭水化物
③ 野菜を先に、そのあとにたんぱく質と炭水化物
その結果、②と③では、①に比べて食後の血糖値のピークが40%以上低くなり、②では食後の血糖値の上昇(曲線の下の面積)が38.8%小さくなりました。
研究の人数は少ないものの、「野菜を先に」も「たんぱく質と野菜を先に」も、炭水化物を後にするという点では共通しています。
こんな方は「野菜だけ先に」に注意
ベジファーストを意識しすぎて、野菜をたくさん食べてお腹がいっぱいになり、肉や魚、ごはんが食べられなくなってしまう方もいます。
特に、もともと少食の方や、食事量が減りやすい年代の方は注意が必要です。
たんぱく質は筋肉など体をつくる材料で、摂取量とフレイル(心身の衰え)のリスク低下との関連も報告されています。
たんぱく質の1日の推奨量は、成人女性で50gです。
野菜でお腹がいっぱいになりやすい方は、
・野菜は小鉢1皿分にして、主菜と一緒に食べ進める
・最初の数口だけ野菜、そのあとは主菜も食べる
・ごはんは最後にするが、量は減らしすぎない
といった形で、たんぱく質をしっかりとることを優先しましょう。
たんぱく質のとり方は、筋トレの効果を支える食事|たんぱく質の目安と40代からの栄養バランスも参考にしてください。
毎日続けやすい「食べる順番」のコツ
基本は「副菜・主菜 → 主食」
野菜・海藻・きのこなどの副菜や、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜を先に、ごはんやパンなどの主食を後にするのを、まずは1日1食から試してみましょう。
外食や定食でも同じ考え方で
定食なら、小鉢やみそ汁の具、主菜から食べ始め、ごはんは後半にします。
丼ものや麺類は順番をつけにくいので、サラダや小鉢を1品足すのがおすすめです。
順番より大切なのは1日の中身
食べる順番は、あくまで工夫のひとつです。
主食・主菜・副菜がそろっているか、食べる量は多すぎないかといった1日全体のバランスのほうが、体づくりには大切です。
糖尿病などで治療中の方は、食事の内容や順番について、主治医や管理栄養士の指導を優先してください。
自分に合った食べ方を見つけるために
ベジファーストは古くなったわけではありません。
大切なのは、「野菜から」にこだわりすぎず、炭水化物を後にしながら、たんぱく質をしっかりとることです。
体質や食べられる量、生活リズムによって、ちょうどよい食べ方は人それぞれです。
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外食が多い方や、何から見直せばよいか分からない方も、無理なく続けられる食べ方を一緒に考えていきましょう。
参考資料
Imai S, Fukui M, Kajiyama S.「Effect of eating vegetables before carbohydrates on glucose excursions in patients with type 2 diabetes」Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition(2014)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcbn/54/1/54_13-67/_article/-char/ja/
Shukla AP, et al.「The impact of food order on postprandial glycaemic excursions in prediabetes」Diabetes, Obesity and Metabolism(2018)https://vivo.weill.cornell.edu/display/pubid30101510
長寿科学振興財団 健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
