
「食事に気をつけているのに、なかなか体重が落ちない」
「運動もしているのに、効果が感じられない」
そんな悩みを抱えていると、インターネットやSNSで「腸漏れ(リーキーガット)が痩せない原因」という話を目にすることがあるかもしれません。
腸の健康が体全体に関わっていることは確かですが、「腸漏れ」については、わかっていることとまだわかっていないことがあります。
この記事では、リーキーガットについて今わかっていることを整理し、根拠のある範囲で腸を整えるためにできることをご紹介します。
そもそも「腸漏れ(リーキーガット)」とは
腸の粘膜は、食べ物から水分や栄養を取り込む一方で、細菌などが体の中に入らないようにする「バリア」の役割も担っています。
実は、誰の腸もある程度は物質を通す性質(透過性)を持っています。
一部の人では、この透過性が高まり、本来は通らない大きな物質まで通しやすくなることがあり、これを「腸管透過性の亢進」といいます。
炎症性腸疾患やセリアック病など、一部の消化器の病気では、腸管透過性が高まっていることが知られています。
ただし、これらの病気では、透過性の亢進は病気の「原因」ではなく「結果」と考えられています。
一方、「リーキーガット症候群」は、腸の透過性が高まることそのものが原因となって、さまざまな病気を引き起こすという仮説です。
米国クリーブランド・クリニックの解説では、リーキーガット症候群は現時点で正式な医学的診断名ではなく、腸の透過性を直接測る標準的な検査もないとされています。
「痩せない原因」と言えるのか
腸から入り込んだ物質が体の中で弱い炎症を起こし、肥満や糖尿病などに関わっているのではないか、という考え方はあります。
しかし、それが実際に体重や代謝にどの程度影響するのかは、まだはっきりしていません。
体重が思うように落ちないときは、「腸漏れ」を疑う前に、確かめられている原因から見直すほうが近道です。
たとえば、睡眠不足が数日続くだけで、食欲を抑えるレプチンが減り、食欲を高めるグレリンが増えることがわかっています。
睡眠不足ではインスリンの効きが悪くなり、同じ食事をしても血糖が高くなることも明らかになっています。
食欲や血糖に関わるホルモンについては、「痩せホルモン」の正体|GLP-1・レプチンと40代からの整え方で詳しく解説しています。
腸のためにできること|根拠のある3つの習慣
「リーキーガット」かどうかにかかわらず、腸をいたわる生活は、毎日の体調を整えることにつながります。
① 食物繊維をしっかりとる
食物繊維は、大腸の中で善玉菌のえさになり、腸内環境を整える働きがあります。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、女性(18〜74歳)の食物繊維の目標量は1日18g以上です。
野菜や豆類、きのこ、海藻、未精製の穀類などを組み合わせて、水溶性と不溶性の両方をとりましょう。
② 脂質や糖分のとりすぎ、加工食品に頼りすぎない
脂質や糖分の多い食事は腸内の細菌のバランスに影響し、腸の粘膜に負担をかける可能性があると指摘されています。
特定の食品を抜くのではなく、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を基本にしましょう。
コンビニ食や加工食品との付き合い方は、コンビニ食でも体は変わる?腸内環境と超加工食品の関係で紹介しています。
③ お酒や痛み止めの使いすぎに注意する
長期間にわたるお酒の飲みすぎや、解熱鎮痛薬(NSAIDs)の使いすぎは、腸の透過性を高める原因として挙げられています。
痛み止めを日常的に使っている方は、自己判断で量を増やさず、医師や薬剤師に相談しましょう。
気になる症状が続くときは
お腹の痛みや張り、下痢、食後の不快感などが続く場合は、さまざまな病気が隠れていることもあります。
「腸漏れかもしれない」と自己判断せず、消化器内科に相談しましょう。
まとめ
腸の透過性が高まる状態は一部の病気で実際に見られますが、「リーキーガット症候群」は正式な診断名ではなく、痩せにくさとの関係もまだわかっていません。
体重が落ちにくいと感じたら、まずは睡眠、食事のバランス、食物繊維、運動といった確かな土台から整えていきましょう。
乳酸菌と腸の関係は、乳酸菌でダイエット?腸を整えてやせやすい体に!もあわせてご覧ください。
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参考資料
Cleveland Clinic「Leaky Gut Syndrome」(2022年)https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/22724-leaky-gut-syndrome
厚生労働省 e-ヘルスネット 三島和夫「睡眠と生活習慣病との深い関係」(2025年更新)https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-008.html
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」(2024年更新)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(2024年)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
厚生労働省 e-ヘルスネット 林芙美「肥満・メタボリックシンドローム予防の食事」(2025年更新)https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-009.html
