
SNSや動画で、極端にスリムな体型を理想とする投稿を目にすることが増えました。
なかには
身長から体重を引いた数字を目標にするという考え方も広まっています。「スペ120」もその一つです。
数字が独り歩きし、
医学的な根拠のない目標が「理想」として共有されている。それが今の状況です。
アップルフィット倉敷はクラカグループが運営しており、グループ会社の社員もパーソナルトレーニングを利用可能です。
特に20代の女性社員は、極端にスリムな体型を理想としており、トレーナーから、極端な痩せ方が体に何をもたらすのかを、根拠とともに説明している状況です。
まず、お伝えしたいこと
「痩せたい」と思うこと自体を否定するつもりはありません。
見た目を整えたい、自信を持ちたい。その気持ちは自然なものです。毎日目にする投稿の中で、自分の体を比べてしまうのも無理のないことだと思います。
ただ
目標にする数字が適切かどうかは、一度立ち止まって考える価値があります。
体重が軽いほど健康で美しい、という関係は成り立たないからです。
低体重の目安は決まっています
日本肥満学会は、
BMI 18.5未満を「低体重(やせ)」と定義しています。この範囲に入ると、健康上のリスクが高まることが知られています。
BMIは
体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)で計算できます。
ご自身の数値を一度確認してみてください。もし18.5を下回っているなら、それ以上減らすことは体にとって不利に働きます。
体に起こること1:ホルモンのはたらきが乱れる
体脂肪は、
女性ホルモンをつくるうえで重要な役割を担っています。
そのため急激な減量や極端に低い体脂肪率は、次のような問題につながることがあります。
・月経不順、無月経
・妊娠しにくくなる可能性
・
骨密度の低下(若い方でも起こります)
特に骨密度は重要です。骨量は20代でピークを迎え、その後は基本的に減っていきます。
この時期に十分な骨量を蓄えられないと、将来の骨折リスクが高まります。
生理周期の乱れと栄養の関係は
生理が遅れる原因の一つは栄養不足?女性に必要な3つの栄養素、骨密度については
骨密度の低下を防ぐには?運動と栄養で丈夫な身体づくりを目指そうをご覧ください。
体に起こること2:心の負担が増える
極端なカロリー制限や
「もっと痩せなければ」という強い思い込みは、心にも影響します。
・食事のたびに不安を感じる
・思うようにいかないと自分を責めてしまう
・
拒食症や過食症のリスクが高まる
SNSで他人と比べる機会が増えたことも、この負担を大きくしています。
■ 相談できる場所があります
食事のことで頭がいっぱいになる、体重を測るのが怖い、食べたあとに強い後悔がある。
こうした状態が続いているなら、
ひとりで抱えないでください。
国が設置している
「摂食障害相談ほっとライン」という電話相談窓口があります。専門の相談員が対応しており、ご本人だけでなくご家族からの相談も受け付けています。
(摂食障害全国支援センター/国立精神・神経医療研究センター)
また、お住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターでも相談できます。
体に起こること3:筋力と体力が落ちる
食事量を減らしすぎると、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが不足します。その結果、次のようなことが起こりやすくなります。
・筋肉量の減少
・疲れやすさ
・感染症にかかりやすくなる
・冷えの悪化
そして
筋肉が減ると基礎代謝が下がり、かえって太りやすい体になります。痩せるために始めたことが、逆の結果を招いてしまうのです。
低体温を伴う場合の影響は
低体重・低体温が招く深刻な健康リスクと、改善への現実的アプローチで詳しく解説しています。
年代によって、起こることが変わります
この問題は特定の世代だけのものではありません。
・
10代:成長そのものに影響します。骨量を蓄える大切な時期です
・
20〜30代:月経や妊娠に関わる機能に影響が出ることがあります
・
40〜50代:もともとホルモンが変化する時期です。ここに低栄養が重なると不調が強まります
・
60代以降:筋肉の減少が転倒や骨折に直結します
年齢が上がるほど、失ったものを取り戻すのに時間がかかります。
目安にすべきは、数字の低さではありません
体型の良し悪しを決めるのは、体重計の数字ではありません。
・適切なBMIの範囲にあること
・体脂肪率が極端に低くないこと
・
年齢に応じた筋肉量があること
この3つが揃ってはじめて、健康的な体といえます。
同じ体重でも、筋肉があるかどうかで見た目はまったく違います。
「引き締まって見える」のは、体重が軽いからではなく筋肉があるからです。
体重の数字との向き合い方は
「50」と「49」の差は大きい?体重の数字にとらわれない健康的なダイエットとは、体重以外の変化については
体重だけじゃない!ダイエット中に見逃したくない体の変化もあわせてご覧ください。
ひとりで判断しないという選択
無理な減量や自己流のダイエットは、体に負担をかけるうえに続きにくく、結果としてリバウンドを招きます。
アップルフィット倉敷では、体成分測定で
筋肉量と体脂肪率の実際の数値を確認したうえでご提案しています。体重という一つの数字ではなく、その中身を見ていきます。
通われている方の多くは40代以上の女性です。「短期間で何キロ落としたい」という方よりも、「この先も自分の足で元気に動いていたい」「なんとなくの不調を整えたい」という理由でお越しになります。
そのため、極端な食事制限をご提案することはありません。完全個室で、経験豊富な女性トレーナーが対応します。同じ年代の女性だからこそ、お話しいただきやすいこともあると思います。
まとめ
・
BMI 18.5未満は「低体重」。それ以上減らすことは体に不利に働く
・体脂肪が減りすぎると
ホルモンのはたらきが乱れ、骨密度も下がる
・筋肉が減れば代謝が落ち、
かえって太りやすい体になる
・大切なのは数字の低さではなく、
BMI・体脂肪率・筋肉量のバランス
・食事のことで思いつめているなら、
相談できる場所があります
数字を追いかけるより、
5年後10年後も心地よく動ける体を目指していきましょう。