
冬は寒さ対策だけでなく、体の内側のケアにも気を付けたい季節です。
日照時間が短くなり、寒さで外に出る機会も減る冬は、日光を浴びることで体の中で作られるビタミンDが不足しやすくなります。
また、冬になると気分が落ち込みやすくなる「冬季うつ(季節性感情障害)」という状態があることも知られています。
今回は、ビタミンDが体にどんな働きをしているのか、冬にどう補えばよいのか、そして気分の落ち込みとの関係について、わかっていることと注意点を合わせてお伝えします。
ビタミンDとは?日光と食事の両方から得られるビタミン
ビタミンDは、食事から摂るだけでなく、日光(紫外線)を浴びることで皮膚の中でも作られる、少し珍しいビタミンです。
体の中では、腸でカルシウムやリンの吸収を助け、骨の健康を保つ働きをしています。
不足が長く続くと、骨密度が低下し、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まるといわれています。
40代以降の女性にとって、骨の健康は5年後、10年後も自分の足で動ける体を保つための大切な土台です。
冬はビタミンDが不足しやすい?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の女性のビタミンDの目安量は1日9.0μgとされています。
一方、国民健康・栄養調査(2019年)によると、日本人女性の摂取量は平均で1日6.4μgで、目安量を下回っています。
食事摂取基準では、日照により皮膚でビタミンDが作られることを踏まえ、日常生活の中で無理のない範囲で適度に日光を浴びることも大切だとしています。
ただ、冬は日差しが弱くなるため、同じ量のビタミンDを作るのにより長い時間が必要です。
国立環境研究所などの試算では、晴れた日の正午に顔と両手の甲を日光に当てた場合、ビタミンD5.5μgを作るのに必要な時間は、7月なら3〜5分程度ですが、12月になると那覇で約8分、つくばで約22分、札幌では約76分かかるとされています。
同じ12月でも、朝9時や午後3時になると、つくばで100分を超える時間が必要になります。
冬は「お昼前後の明るい時間に、少しでも外に出る」ことがポイントです。
ランチの前後に少し歩く、日当たりのよい道を選んで買い物に行くなど、日常の中で無理なく日光を浴びる工夫をしてみましょう。
なお、紫外線を浴びすぎると、シミや皮膚の病気の原因にもなります。
日焼けして肌が赤くなるほど長く浴びる必要はありません。
ビタミンDを多く含む食品
冬は日光だけで十分な量をまかなうのが難しいため、食事からもしっかり摂りましょう。
ビタミンDは、魚ときのこに多く含まれています。
・しろさけ(焼き)80gで約31μg
・さんま(焼き)100gで約13μg
・さば缶詰(水煮)90gで約10μg
・まいわし(焼き)50gで約7μg
・あらげきくらげ(油炒め)30gで約11μg
・まいたけ(油炒め)30gで約2μg
鮭1切れで1日の目安量を大きく上回るほど、魚はビタミンDの心強い供給源です。
魚が苦手な方は、きくらげやまいたけを炒め物や汁物に加えるのもおすすめです。
ビタミンDは脂に溶けやすい性質があるので、油を使った料理と組み合わせると取り入れやすくなります。
一方で、サプリメントで摂りすぎると、血液中のカルシウムが増えすぎて体に負担がかかることがあります。
食事摂取基準では、成人の耐容上限量(これ以上は摂らないほうがよい量)を1日100μgとしています。
サプリメントを使う場合は、表示された量を守りましょう。
冬の気分の落ち込みとビタミンDの関係
冬季うつ(季節性感情障害)は、秋の終わりから冬の初めに始まり、春から夏にかけて自然におさまる、うつ病の一種です。
気力の低下や寝すぎ、食べすぎ、体重の増加、炭水化物が無性に欲しくなる、人に会いたくなくなる、といった症状が見られます。
冬季うつの人では、血液中のビタミンDが低いことがよくあると報告されています。
ただし、厚生労働省の統合医療情報サイトでは、ビタミンDのサプリメントは、冬季うつの有効な治療法とは考えられていないと紹介されています。
研究によって結果がまちまちで、効果がはっきりしないためです。
一方で、明るい光を浴びる光療法や、楽しい活動を少しずつ増やしていく認知行動療法には、一定の効果があることが示されています。
つまり、ビタミンDは「冬季うつを治すもの」ではなく、「骨や体の健康のために不足させないことが大切な栄養素」と考えるのが正確です。
「毎年冬になると気分が沈み、生活に支障が出る」「つらい気分が続いて、生活に支障が出ている」という方は、我慢せずに、かかりつけ医や心療内科、精神科などの専門の医療機関に相談してください。
冬こそ、体を動かす習慣を
寒い冬は、どうしても家にこもりがちになります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に、歩くこと以上の強さの身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上)、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを勧めています。
また、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意することも大切です。
まとまった時間がとれなくても、短い時間の積み重ねで健康によい効果が得られるとされています。
日中に外を歩けば、体を動かしながら日光も浴びられるので一石二鳥です。
ビタミンDとカルシウムで骨の材料をそろえ、筋力トレーニングで骨と筋肉に刺激を与えることが、年齢を重ねても動ける体づくりにつながります。
冬に増えやすい体調の悩みについては、パーソナルジムが冬の体調管理に役立つ3つの理由、筋肉の衰えの予防については【40代から始める健康対策】サルコペニアとフレイルを予防する方法とは?もあわせてご覧ください。
「運動経験がなく、何をしたらいいのか分からない」「久しぶりに体を動かすので、体力やケガが心配」という方は、パーソナルジムから始めるのもおすすめです。
アップルフィット倉敷では、完全個室で経験豊富な女性トレーナーが、お一人おひとりの体力・体調に合わせた運動や筋力トレーニングをご提案します。
食事や生活習慣のご相談も無料で承っています。
寒い冬も、無理のないペースで体を整えていきましょう。
参考資料
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(2024年)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報「ビタミンD」(2026年)https://hfnet.nibn.go.jp/vitamin/detail221/
国立環境研究所「体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定」(2013年)https://www.nies.go.jp/pr/news-and-updates/2013/20130830/20130830.html
厚生労働省 eJIM「季節性情動障害に対する補完療法について知っておくべき6つのこと」(2021年)https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/communication/c03/48.html
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨事項(成人版)(2024年)https://www.mhlw.go.jp/content/001195866.pdf
