
成人の3人に1人が「高血圧」といわれる日本。
その高血圧に、実は2つのタイプがあることをご存じでしょうか。
今回は、高血圧の種類についてお話しします。
健康診断の結果用紙を見ながら、ご自身の血圧が問題ないか、高血圧の場合はどちらのタイプの可能性があるかを確認しつつ読んでみてください。
※この記事は運動と生活習慣の観点からの情報提供です。診断や治療については必ず医師にご相談ください。
高血圧とは|健康診断の数値の見方
これまでも高血圧について触れてきましたが、改めてどんな状態かを見ていきましょう。
日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室で測った血圧を次のように分類しています。
・正常血圧:120/80mmHg未満。
・正常高値血圧:上が120〜129で、下が80未満。
・高値血圧:上が130〜139、または下が80〜89。
・高血圧:
上が140以上、または下が90以上。
「高値血圧」の段階は、まだ高血圧ではないものの、この時点から脳や心臓の病気のリスクが上がり始めることがわかっています。
いわば高血圧の予備軍です。
健康診断で「要経過観察」と書かれていた方は、この段階にあたることが多いです。
なお、2025年に改訂された最新のガイドラインでは、すでに高血圧と診断されている方の治療目標が、年齢を問わず
130/80mmHg未満に統一されました。
「140を切っていれば大丈夫」ではなく、より低い数値を目指す流れになっています。
高血圧は初期段階では自覚症状がほとんどありません。
そのため放置してしまう方も多いのですが、気づいたときには動脈硬化が進み、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。
このことから、高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれます。
高血圧には2種類ある
① 原因が特定できない「本態性高血圧」
日本人の高血圧の約90%が、この本態性高血圧です。
加齢や食事、運動不足などの生活習慣、自律神経の乱れ、遺伝的要素などが複雑に関係し、「これが原因」と一つに特定しづらいのが特徴です。
② 病気や薬の副作用による「二次性高血圧」
高血圧の約10%が、この二次性高血圧です。
何らかの病気や薬が原因となって血圧が上がっており、原因を取り除くことで血圧が改善する可能性があります。
原因となる病気の代表は、副腎からのホルモンが過剰に出る「原発性アルドステロン症」、腎臓の病気、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺の病気などです。
薬では、痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)、ステロイド、一部の漢方薬に含まれる甘草、経口避妊薬などが血圧を上げることが知られています。
二次性高血圧を見逃さないためのサイン
二次性高血圧は「生活習慣を直しても血圧が下がらない」という形で気づかれることが多く、見逃されやすいのが問題です。
次のような項目に当てはまる方は、一度、循環器内科や総合内科で相談されることをおすすめします。
・30代など、比較的若い年齢で高血圧を指摘された。
・以前は正常だったのに、短期間で急に血圧が上がった。
・降圧薬を複数飲んでいても、血圧が目標まで下がらない。
・健康診断で血液中のカリウムが低いと指摘された。
・いびきが大きい、日中に強い眠気がある。
・血縁者に高血圧の人がいないのに、自分だけ高い。
・上に挙げた薬や漢方薬を継続して服用している。
このタイプの方、または自分は二次性高血圧ではと心配な方は、循環器内科や総合内科を受診し、医師の診断・治療を受けることをおすすめします。
40代からの女性に知っておいてほしいこと
女性の血圧は、40代までは男性より低めに経過する方が多い一方で、
更年期を境に上がりやすくなることが知られています。
女性ホルモンのエストロゲンには血管を柔らかく保つ働きがあり、その分泌が減ることで、血圧が上がりやすくなると考えられています。
50代、60代になると、高血圧の割合は男女でほとんど差がなくなります。
「今まで血圧で引っかかったことがないから」と安心していた方が、更年期以降の健康診断で初めて指摘されるのは、決して珍しいことではありません。
また、妊娠中に血圧が高いと指摘された経験のある方は、その後の高血圧のリスクが高いことがわかっています。
当ジムに通われるお客様も、「病気ではないけれど、なんとなく体調が安定しない」という時期と、血圧が上がり始める時期が重なる方が多くいらっしゃいます。
家庭で血圧を測る習慣を
健康診断は年に1回です。
ご自身の血圧の傾向を知るには、家庭での測定が何より役に立ちます。
ガイドラインでも、診察室の血圧より家庭血圧を優先して判断することが推奨されており、
家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧の目安です。
測るタイミングは、朝は起きて1時間以内、トイレのあと、朝食や薬を飲む前。
夜は寝る前です。
椅子に座って1〜2分落ち着いてから、腕にカフを巻いて測ります。
1日や2日の数値で判断せず、1週間ほど続けて平均を見るのがコツです。
まずは生活習慣の見直しから
この記事を読んでくださっている方の多くは、「本態性高血圧」または「高値血圧」の段階ではないかと思います。
そういった方は、まず普段の生活習慣を見直すことから始めましょう。
食事は、味の濃いものを好んで食べていませんか。
ガイドラインでは食塩を1日6g未満に抑えることが推奨されています。
運動しなきゃと思いつつ、「明日から…」になっていませんか。
1日30分程度の軽く息が上がる運動を続けることで、血圧が数mmHg下がることが多くの研究で報告されています。
数mmHgと聞くと小さく感じますが、集団で見ると脳卒中や心筋梗塞のリスクを確実に下げる差です。
また、体重が1kg減ると血圧もおよそ1mmHg下がるとされており、無理のない減量も有効です。
具体的な食事については、
高血圧は食べ合わせで対策|血管を守る5つの組み合わせで、食事全体の見直しは
高血圧を予防・改善!生活習慣と食事で取り組む原因と対策で詳しくお伝えしています。
運動に不安がある方はパーソナルジムへ
高血圧の方は、運動方法を間違えると危険を伴うことがあります。
たとえば、重いものを持ち上げるときに息を止めて力むと、血圧が一時的に大きく上がります。
また、運動前に測った血圧が180/110mmHgを超えている日は、運動を控えて医療機関に相談するのが原則です。
どんな運動をどこまでしてよいか不安な方は、パーソナルジムへお問い合わせください。
筋トレの注意点は
血圧が高くても筋トレして大丈夫?安全に運動するためのポイントにまとめています。
アップルフィット倉敷では、初回のカウンセリングで健康診断の結果や服薬の状況をお聞きし、経験豊富な女性トレーナーが完全個室で、その日の体調に合わせたトレーニングをご提案しています。
医師から運動を勧められたものの、何から始めればよいかわからない方も、安心してご相談ください。
まとめ
高血圧には、原因を特定しにくい「本態性高血圧」と、病気や薬が原因の「二次性高血圧」があります。
二次性のサインに当てはまる方は医療機関へ。
本態性や高値血圧の段階の方は、家庭血圧を測る習慣をつけ、減塩と運動から生活を整えていきましょう。
ご自身の高血圧タイプを把握し、重大な病気になる前に、5年後、10年後も元気に動ける体をつくっていきましょう。